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『シン・ゴジラ』評価と考察 これはゴジラのイノベーションだ

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シン・ゴジラ

観てきました。

 


はい。


結論からの述べましょう。


シン・ゴジラは近年の邦画の中でも間違いなくナンバーワンでしょう!


無駄を一切廃し、清々しい疾走感。


何より、日本が誇る大スターであるゴジラが、また日の目を浴びたのがうれしい。

観客動員も見込めてませんでしたからね・・・ファイナルウォーズもあんな感じでね。


賛否両論あるらしいですが、まあこれは内容を見れば当然だと思いました。


大前提として、大多数の一般大衆向けではない。

そう、そこなのです。シン・ゴジラ、あまり一般向けじゃないです。だからこそ、話題性だけで見に行っても痛い目見ます。
そら、賛否両論ありますよ。

いろいろな意味で『オタク』向けなんですよ。ただ怪獣プロレスが見たかった!って子供たちや、勝利努力友情ロマンスが好きな方、言い方は悪いですが上映中にあまり何も考ず観るには受けが悪いでしょう。

ってことで、脳死で何も考えずに映画を楽しみたい人は、この夏ワンピースを観ることをオススメします。

やたら評判いいからって、必要最低限の事前予備知識なしに、カップルとかで観に行くと痛い目見ますよ。
映画館から出てきて、両者わけわかめで「なんかよくわからなかったけどゴジラが光線吐くシーンは面白かった!」

 

って子供か!

 


まあ女の子が言うこういう意見は可愛いし許せますけど、彼氏さんのほうはフォローする形で自分なりの考察であったり、チョットしたウンチクを語れるとカッコいいですよね。
男は皆怪獣に一度は惚れますからね。


さて、ここからは本論です。

 

私は特撮ファンであり、大のゴジラ(円谷)ホリックとしては、この今回の作品は避けては通れますまい。
何故ならば評判がいいから。

は?じゃあ評判悪かったら観ねーのかよ、それじゃ結局お前も取り敢えずブームのものには手を出す典型的現代日本人的な発想なんじゃねーかよカスと思われるかもしれないが、しかし待っていただきたい。


それでいいのだと。


私は評判が良くなければ見ません。時間を無駄にしたくないから。

 

時は金なり

私は時間を過ごすときに、何より重要視するのはその『密度』。

限られた時間の中で、やれることや、詰め込めることが多ければ多いだけ、充足感を感じる。


そういった意味では、シン・ゴジラは最高だった。


なにより、情報量が多い。
考える時間が多い。
早口で難しい言葉が多くて、頭の処理が追いつかない。

だから楽しい。楽し過ぎる。

なんという濃い2時間だったか。

映画見てる間、アドレナリンが出っぱなしでしたよ。
無論、メッセージ性もある。
が、私はそんなものは二の次だと思いましたね。
原発問題、『かの国』に対する外交問題なんてのは今更誰もがわかりきっていることで、ある意味で頭の羽休めにもなる。情報の処理能力が追いつかない感じが良い。


確かに、見せ場までが長いと感じる人もいるかもしれないが、その分最大の見せ場を引き立てるスパイスになっている。

 

紛れもなく『ゴジラ』

いやはや…これほんまにエヴァっぽくなってたらどうしようかと思ったが、流石は庵野監督。
これは紛れもなくゴジラ。
確かに、エヴァっぽいって意見もありますが、それは『エヴァっぽい』のではなく、『庵野節』と言ってあげるべきでしょう。

 

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さて、タイトル回収に入るとしましょう。 

 

ゴジラが『変態(変身)』する生物だという衝撃的な展開。

これは、『ゴジラ』という既存概念の破壊(イノベーション)に他ならないでしょう。

これはまさしく庵野監督という日本一の映画監督だから出来たことで、同時にゴジラの可能性を広げることにほかなりません。

これを物語の導入部分からやることで、これは今までのゴジラとは全く違った特撮映画だぞ、ということを強烈に主張しています。

ネットでの意見を見ていると、自衛隊だの会議だの人間に多くスポットが当たり、ゴジラは凄まじい脅威としての側面でのみ扱われている気がしますが、しかし皆さん肝心なことを忘れている気がします。それはこの映画がこれまでとはまったく違う、「ゴジラ」だということです。

 

ゴジラという大スター

考えてみればこれはすごいことですよ。ゴジラを知らない日本国民はいますまいが、それは「ゴジラ」は日本が誇る国民的なキャラクター、引いては既に世界的大スターということを暗に示しているということで、そのキャラクター像を大きく変えてしまっても、違和感なくまとめ上げているということでもあります。

極端な例を挙げれば、「ドラえもん」や「サザエさん」を、これまでとは全く違った点からアプローチし、旧作の匂いを残しつつ全く別のものに作ることが出来るかという話です。

これは諸刃の刃ですよね~、現実の製品市場ならともかく、既存のイメージをぶち壊すことになりかねないのですから、ちょっとさじ加減を間違えれば大火傷ですよ。

実際ゴジラも、1998年にハリウッドが巨額の製作費でゴジラのリメイク作を作ったところ、ゴジラが全く別物のマグロ食ってるようなの

※参考

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になってしまい、ラズベリー最低リメイク賞を取るような出来になってしまったという有名すぎる事件もありました(”怪獣”とアメリカ的な”クリーチャー”の違いが決定的になった事件でもある)。


シン・ゴジラは『進化する完全無欠生物』として扱われていることで、これまでの怪獣王ゴジラの圧倒的存在感を損なわないようにしつつ、更なるステップへの進化を予期させ、可能性を暗示させるものにしています。
つまり、作品として様々な次なる展開に持っていくことが可能、というわけです。

初代ゴジラは、芹沢博士の超兵器、オキシジェン・デストロイヤーの前に白骨と化し海に沈みました(なおこの骨は回収され、三式機龍【メカゴジラ】としてミレニアム・ゴジラの前に立ちはだかることになります)。
そのため、次回作『ゴジラの逆襲』では別個体を出現させざるを得なかったのです。


しかし、ゴジラが『超進化生物』だとしたらどうでしょう。
シン・ゴジラはオキシジェン・デストロイヤーという現代科学の域を超えた超兵器で倒されるのではなく、日本政府の通称『ヤシオリ作戦』によって「活動停止」に追い込まれます。

ということは、ゴジラはまた動き出すという可能性もあるわけで、人治を超えた超生物なのですから、次に動き出すときにはまたしても進化を遂げるのかもしれません。
と、いいますか、ゴジラは基本的には人間の手ではどうすることも出来ない『怪獣』なので、あれで完全に死んでいるわけはないでしょう。
ラストのアレ、もしかしたら尻尾が本体でごにょごにょ…ってことかもしれないし、外殻が割れて、中から巨人が出てくるやもしれないし、空だって飛べるやも。

まさにGOD ZILLA、神話の世界の超怪獣。

そういったことを想像させてくれるのです。


昨今のTV、映画、ゲームはすべてが用意、指示されているものが多く、想像の挟む余地がありません。
一部のアホにもすべてが理解できるように配慮されていて、メタファーを探すことすら許されないものだってあります。

高い完成度でなお「よくわからなかった」っていう意見が出てくる、それこそ庵野監督の真骨頂でしょう。
よくわからなくていいんです、その部分は自分で補填して、考察する楽しみもある。

それに、メディア展開や次回作、ファンの二次創作もやりやすいことでしょう。流石にムーブメントを作ることに長けている、と言わざるを得ません。

 

 

脱帽、といいますか、まあ僕程度の人間がそんな言葉使う立場じゃないんですけど、とにかく素晴らしかった。
まだ観ていない人は映画館へ行きましょう。そして、上映中も上映後も想像力を働かせましょう!

 

Q.石原さとみはいるかいらないか?

A.可愛いのでいります。

 

 

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