【致死率100%】世界初、長崎大学の解剖実習遺体から「プリオン」…プリオンとは何か 致死率100%の食人病

長崎大は15日までに、大学の医学部などで行う解剖実習で使うために提供された遺体を調べた結果、1体からプリオン病の病原体となる異常型プリオンたんぱく質が検出されたと発表した。

 プリオン病と未診断の解剖実習遺体からプリオンが発見され、同病と確定したのは世界初という。

 プリオン病は致死性の疾患で、急速に認知症が進む「クロイツフェルト・ヤコブ病」などがある。プリオンはホルマリンに漬けても不活化されないため、解剖時に感染する危険があるという。論文は米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された。 

https://news.livedoor.com/article/detail/22340306/

 

現在、Twitterなどでこの記事が話題になっています。

ニュース記事では、不安を煽るような見出しとなっていますが、長崎大学のHPではしっかりと詳細、見地が記載されていました。

■発表のポイント
・世界で初めて、プリオン病未診断例を解剖実習前の御遺体から発見しました。
・本研究の成果は、解剖実習や医療の安全性の向上に貢献することが期待されます。

【背 景】
プリオン病の原因となる病原体は「プリオン」とよばれる感染性タンパク質からなります。狂牛病(ウシのプリオン病)のように食肉を介して感染した例や、医療(硬膜移植手術など)によって感染した例が過去に報告されています。一方、多くの患者さんは高齢で発症し、急速に認知症が進行する孤発性プリオン病と呼ばれるタイプで、加齢に伴って起こる自然発生的な疾患です。1年間に人口100万人の都市で約2人が発症する極めて稀な疾患ですが、100%致死性であり、難病の中の難病と言われています。実験動物を用いた研究では、発症前からプリオンが脳組織に蓄積していて感染性も有することがわかっていますが、ヒトでは発症前に他の病気で亡くなった方や発症しても典型的でなく診断が困難な例などが、どの程度存在するか正確にはわかっていません。またプリオンは一般的な滅菌法では不活化されず、ホルマリンにも抵抗性です。このような理由から、御遺体にプリオン病未診断例が含まれていた場合、解剖実習に臨む学生やスタッフがプリオン感染の危険にさらされることになります。
同グループは解剖実習における安全性の確保を目的として、2020年度から解剖実習前の御遺体脳組織のプリオンスクリーニング検査を実施してきました。なお、医学部および歯学部における解剖学教育は、篤志の方からの献体によって支えられています。

【結 果】
2020年度は36体、2021年度は39体の御遺体のプリオンのスクリーニング検査を行いました。2020年度は全て陰性でしたが、2021年度は1例で陽性反応が認められました(図1)。
病理学的解析の結果、大脳新皮質にプリオン病に特徴的な空胞病変が多数認められ、プリオン病と判定されました(図2)。

 


【今後の展望】
検査に用いたReal Time Quaking Induced Conversion (RT-QuIC)法は2011年に同グループが開発に成功し、今や世界でスタンダードになりつつある高感度のプリオン検出方法です。(Atarashi et al., Ultrasensitive human prion detection in cerebrospinal fluid by real-time quaking-induced conversion. Nat Med. 2011 Feb;17(2):175-8. ) 今回はホルマリン処理後であっても検査が有効であることを証明したことになり、世界中の医療関係者にその情報をもたらしたことは大きな意味があります。本検査を開始して2年目で、わずか80例ほどを検査して、世界で初めて解剖献体の未診断例が発見されました。全国で年間約3000体の御遺体が実習に使用されていると考えられることから、正確な未診断例の頻度を明らかにするには、今後、他大学と連携して全国的検査体制を構築し、検査数を増やす必要があります。このような研究は解剖実習の安全性を高めるのみならず、未診断例の頻度を明らかにすることで、手術前や臓器提供前にプリオン検査を行う仕組みを構築して、先進医療の安全性向上に寄与することにつながります。

世界初プリオン病未診断例、人体解剖実習前の御遺体から発見。 米国医学専門雑誌「New England Journal of Medicine」誌に掲載されました

 

こちらを読みましたが、要約すると「世界で初めて、プリオン病未診断の遺体からプリオン検査方法を確立した」という、どちらかといえば明るい寄りの内容です。

 

ネットニュースの報道内容からすると「プリオンが遺体から見つかった!そうとはわからずに感染するかも!やべええええええ」だけなので、このネットニュースの内容は、ちょっと飛ばしに近いのかなと思いますね。

 

案の定、Twitterでは「このコロナワクチンが…!?」という、TOUGHの煽りみたいな陰謀論がまことしやかに囁かれているとかいないとか。

https://twitter.com/Trilliana_z/status/1535627870563102721

まあ…どう思うかは人の感性によるとは思うのだけれど、プリオン病は基本的に異常プリオンに感染した肉などを摂取することで感染するので、どうワクチンに繋がるのかロジックがよくわからないのだけれども、流石って感じですね(笑)

異常プリオン、そしてプリオンがもたらす病気とは

この異常プリオンとは病原菌ではなく、タンパク質の一種です。

この異常プリオンを体内に取り込んでしまうことで発症する「クロイツフェルト・ヤコブ病」致死率100%というとんでもない病気です。

詳しくは、私の大好きな化学系のYouTubeチャンネルである「ミストチャンネル」のこの動画を最後までご覧ください。長いけどクッソ面白いので(丸投げ)

これらの動画を観ていただければ、とりあえずプリオンがクッソやべえってことだけは伝わるかと思います。

まとめ

ネット記事では詳細まで記載されていないが、あくまで「世界で初めて、プリオン病未診断の遺体からプリオン検査方法を確立した」という内容。

不安だけを煽るような内容ではない。

https://twitter.com/shuichiotsu/status/1537073857583951872

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