今永昇太がノーヒットノーラン達成!今年既にノーノー2回、完全試合1回、準完全2回。投高打低でボールが変わったのか?

今永ノーヒットノーラン達成

横浜DeNAベイスターズの今永昇太投手が6月7日、北海道日本ハムファイターズ戦にてノーヒットノーランを達成した。

◇交流戦 DeNAー日本ハム(2022年6月7日 札幌D)

 DeNAの今永昇太投手(28)が7日の日本ハム戦(札幌ドーム)で無安打無得点試合を達成した。プロ野球85人目、96度目。

【写真】ノーヒットノーランを達成して選手とタッチを交わす今永(撮影・高橋茂夫)

 今季はロッテの佐々木朗希投手(20)が4月10日のオリックス戦で完全試合を達成。ソフトバンクの東浜巨投手(31)が5月11日の西武戦以来の達成となる。セ・リーグではヤクルトの小川泰弘投手が20年8月15日のDeNA戦で達成して以来36人目。球団では大洋時代の鬼頭洋が1970年6月9日のヤクルト戦で達成して以来4人目の快挙となった。

 お立ち台で今永は「まさか自分がノーヒットノーランを達成できるとは思ってなかったです。何ものでもない一投手を皆さんはこういう結果に導いてくれました。ありがとうございます」と開口一番で話した。

 9回のマウンドに上がる際には「9回のマウンドに上がる前に達成した時にみんながマウンドに集まってくれることをイメージして投げてました。その通りになってホッとしてます」とノーヒットノーラン達成をイメージしていたようだ。「9回は球場のファンのみなさんが本当に雰囲気を作ってくださったというかピリピリとした相手との駆け引きを楽しめる空気を作ってくださり、ファンの皆さんのおかげです。ありがとうございました」と空気を作ってくれたファンに感謝した。

 0―0の投手戦が続いていた一戦。「相手の加藤投手のテンポのいい投球につられて、序盤から中盤は相手をゼロに抑えることができました」と話し、「良くも悪くもなく良い選手が揃っているので、一発を警戒しながら打線しないことを意識して投げたらこうなりました」と自身の投球を振り返った。

 0―0の9回に宮崎の適時二塁打で2点の貴重な援護点をもらった。「心の中では嬉しかったんですけどここでホッとしてしまうとノーヒットノーランが達成出来ない気がして表には出さないようにしてました」と当時の心境を明かした。

 札幌ドーム史上初のノーヒットノーラン達成となり「札幌ドームは広いですし、フェンスも高いですしマウンドも丁寧に整備されていたので物凄い投げやすかったです」と語り、「昨日は登板前なので生ものの美味しいものをさけたので今日はたらふく食べたいと思います」と北海道の美味しいものを楽しみにした。

 最後に「まずは交流戦が終わって一発目の投球が大事だと思うので、もちろん余韻を楽しみながら気を引き締めてまだ交流戦も終わってないのでチームを応援したいと思います」と今後へ意気込んだ。

 今季は負けなしの投球を続けている今永。初回も先頭の野村を中飛で打ち取るとヌニエス、万波と連続三振を奪った。その後出塁を許したのは2回に清宮へ四球を許したのみ。打者28人を打ち取って、準完全試合で北海道では初のノーヒットノーラン達成となった。

DeNA・今永 球団52年ぶりのノーヒットノーラン達成「まさか達成できるとは思ってなかった」

実にめでたく、素晴らしい。

いつかはやってくれるのではないかと思っていたが、近年は怪我も多く、厳しい状態が続いていただけに、ベイスターズファンの私としても喜びはひとしおだ。

 

今年の今永はここまで調子がよく、先発陣が崩壊気味ないまのベイスターズにとってはまさしく大エースと呼ぶにふさわしい。

今永投手、本当におめでとう!

 

しかしながら、まだ6月だというのに、今年はノーヒッターが既に3人出ているのが、多少不可解に思っている。

しかも、佐々木は完全試合達成の次の登板試合にまたしても8回無四球無安打投球(味方の援護が無く8回で降板)の「2試合連続完全試合未遂」、さらにセでも中日の大野雄大が5月6日に9回無四球無安打投球(こちらも味方の援護が無く延長突入)を披露している。

この2者は両方とも味方の援護が無く記録上では「完全試合」とはならなかったのであるが、内容は完全試合のものである。この2者を含めるのであれば(佐々木は既に完全試合をしているが)、既に4人がノーヒッター、しかも2人が完全試合という異常なシーズンということになる。さらに、佐々木は味方の援護さえあれば9回投げぬいていたのは間違いないので、2試合連続完全試合の大偉業を成し遂げた可能性が高い。

 

今年のプロ野球は投高打低と言われてはいるが、いまのところ月1ペースでノーヒッターが出ている。今年は、セ・パ共にバッターは苦戦しており、パでは山川、セでは牧が傑出している状況だ。

 

このような近年ではない異常なプロ野球に、ネット上ではかつて2011~2012に使用された違反球(別名:加藤球)のように、ボールの反発係数が変わったのではないか?とまことしやかに噂されているが、今回はその考察記事である。

近年のノーヒッター達成者とその人数

以下は、直近10年のノーヒッター達成者である。

2012 前田健太、杉内、西
2013 山井
2014 岸
2018 山口俊
2019 千賀、大野雄大
2020 小川
2022【6月現在】 佐々木朗希(完全試合)、東浜、今永

2012年は、いわゆる「違反球」であり、「飛ばないボール」と称された球である。

2012年が一番人数が多く、3人のノーヒッターが出ている。今年が既に3人のノーヒッターを輩出していることを考えると、たしかに違反球の再来かと叫ばれることも頷ける。

しかしながら、単に違反球時代のノーヒッター達成者と人数が既に同じだからおかしいと考えるのは早計だろう。

 

別の年にしても、1安打投球など「ノーヒッター未遂」を披露した投手などはいるわけで、いい当たりがことごとく守っている野手の正面を突いた打球だった、などノーヒットノーラン達成には運も大きく左右する。

今年の佐々木の完全試合ような、アウトのほとんどが三振という、明らかな本人の圧倒的実力というケースもあるが、それは少数なのではないかと思う。

だが、データで見ても明らかに異常な投高打低というのは明らかだ。

プロのピッチャーの進化速度にバッターが追い付いていない?

2022年のプロ野球では、なぜか“快挙”が相次いでいる。ロッテの佐々木朗希が4月10日のオリックス戦で完全試合を達成。28年ぶりの快挙と話題になったが、翌週にも佐々木は8回を投げて降板するまで完全投球を続けた。佐々木だけが凄いのかと思いきや、5月に入ると中日・大野雄大が6日の阪神戦で9回までパーフェクトピッチングを続け、延長10回を投げて1安打完封。同11日にはソフトバンクの東浜巨がノーヒットノーランを達成した。

【写真5枚】オリックス・杉本裕太郎や巨人・坂本勇人、阪神・佐藤輝明が空振りする様子。今季ノーヒットノーランを達成したソフトバンク・東浜巨の写真も

 異様な「投高打低」は決して印象だけではない。データで見ても明らかだ。プロ野球のデータ分析に詳しいスポーツジャーナリスト・広尾晃氏が指摘する(数字は5月15日時点)。

「セ・リーグの平均打率が.244、パ・リーグが.231で、近年の水準に比べて1~2分も下がっている。特にパの貧打は明らかで、長打率は例年4割前後あるのが.337に留まっています。両リーグともに打率、長打率は“飛ばないボール”の統一球が導入されて投高打低が顕著だった2011~2012年の数字さえ下回っています。

 当然、投手の成績はよく、平均防御率を見るとセは3.35と近年のなかで最もいい数字で、さらに凄いのがパの2.90。2004年に最優秀防御率を獲得した松坂大輔と同じ数字です」

 個人成績で見てもパの投手の充実ぶりははっきりしている。防御率はオリックス・山岡泰輔の0点台を筆頭に、1点台がロッテの佐々木を含め7人もいる。昨年の同時期に0点台はおらず、1点台も2人だけだった。

「投手が抑えて走者が出る機会が少ないと試合時間は短くなる。今季の平均試合時間はセ・パともに3時間5分。NPBは試合時間短縮キャンペーンを長く打ち出しつつも、なかなか“3時間10分の壁”を破れずにいたが、あっさり突破する勢いです。本塁打数も激減しています」(広尾氏)

 今季はMLBでも打率や本塁打数が全体的に低迷しているが、こちらは公式球が以前よりも「飛ばないボール」で統一された影響とされる。それゆえ一部では、“日本も去年より飛ばないボールになったのでは?”とも囁かれるが、統一球をNPBに納入するミズノに聞くと、「今まで同様で何も変わっておりません」(広報担当者)との答え。

 ボールが同じなら、何が原因なのか。

ソフトバンク千賀の“予言”
 たとえば、投手が有利となるように“ストライクゾーンが広くなった”という仮説は成り立つ。プロの見方を聞こう。近鉄、中日、西武とセ・パをまたいでプレーした経験を持つ野球評論家の金村義明氏が語る。

「セよりもパの投手の成績が明らかにいいことを踏まえると、審判の影響はないでしょう。審判は昔のようにセとパで分かれるのではなく、リーグをまたいで大きく東と西に分かれている。両リーグの審判に違いがないのに成績が違うのだから、ストライクゾーンは関係ないと考えられます」

 そのうえで金村氏は「やはり、パにパワーピッチャーが多いからでは」との見方をする。

「DH制が導入されているパは打線に切れ目がないが、それに対抗するためにロッテの佐々木やオリックスの山本由伸、宮城大弥といったグイグイ押せる投手が育ってきたということではないか。セではチャンスで投手に打順が回ると代打が出るので、完投能力のあるピッチャーも育ちにくいといった要素がある。この違いが年々積み重なって、今季はとりわけパの投高打低が著しくなっているのではないか」

 一方、セ・パの差について「指導者の違いだ」と指摘するのはヤクルト、巨人、阪神で4番を打った理論派の野球評論家・広澤克実氏である。

「パの指導者は短所を指摘するより長所を伸ばすことを重視する傾向が強く、セでは反対にミスを減らすように欠点の指摘が多い。現役時代の所属球団でコーチになる人が多いから、指導者になってからも選手時代に教わったように指導し、両リーグの色が受け継がれている。近年の選手は、長所を伸ばす指導のほうが成長するので、パの選手が成績をより伸ばしているのではないか」

 そうなるとパの打者も成長著しいはずだが、現実は違う。規定打席に到達しているパの選手のなかで3割打者は4人しかいない。それについて広澤氏は「ピッチャーの進化に比べて、バッターの進化が遅れている」という言い方をする。

「日本の打撃指導では、たとえば低めのボールを打つ理論が時代遅れになっている。MLBの最新理論に基づく大谷翔平(エンゼルス)のフォームを見ると、低めを打つ時はキャッチャー寄りの左肩が下がりながらバットが出ていく。しかし、日本ではプロもアマも指導者がスイングの時に“キャッチャー寄りの肩を下げないように”と指導しています。そのため、いいピッチャーの投げる低目が打てなくなっている。そうした間違った理論が根付いているから、投高打低に拍車がかかるのだと思います」

 そうした投手と打者の“進化”の違いについては、ソフトバンクの現役エース・千賀滉大の見解が興味深い。千賀はスポーツ紙のコラムで〈僕はこの先、3割打者が存在しなくなる時代が来ると思っています〉と明言。その理由として、〈投手はいろいろ勉強し、情報を入れ、トレーニングに生かす環境が整っている〉のに対し、〈打者もトレーニング方法や打撃に関する情報はたくさんあるものの、打つ、走る、守るといった感じでこなす必要のある練習量が単純に多いので、急速に進化を遂げる投手に対応するのは容易ではない〉としているのだ。

※週刊ポスト2022年6月3日号

プロ野球はなぜ「投高打低」なのか? SB千賀は「3割打者はいなくなる」と予言

この記事が興味深いのは、現役のトッププロである千賀がこのような見解を示していることにある。

加速度的にレベルアップしていく投手に対し、バッターが追いついていっていないということだ。

たしかに、打者の場合昭和の指導法が未だに現役な部分もある。打つだけではなく、走攻守すべてにハイレベルが要求されるプロの世界では、打つ方にのみ集中することは出来ないというのも頷ける話だ。

しかし、去年のバッターの指標は普通だった

しかしながら、これはポジショントークの域を出ないのではないかとも思う。

毎年、じわじわと全体の成績が下がっているならわかるのだが、去年の打撃指標は普通だった。

たった1年で投手が急激に成長するのか?という単純な疑問が浮かぶ。

また、データ野球になって久しいが、打者に対する弱点がスコアラーによって丸裸にされているのも、投手の成績が良くなっているという理由の1つでもあるだろう。特に打者に対する有効なシフトなどは最たる例と言える。

ボールに関しては

ボールに関しては、ミズノに聞いたところで馬鹿正直に答えるわけもないだろう。

とはいえ、違反球の件があったので、事前の連絡もなしにいきなり反発係数を変更したボールに変えるなんてことがあるとは思えない。そんなことをすれば、違反球騒動の再来である。

個人的な結論は…

まだシーズンが終わっていないのでなんともいえないが、個人的には「たまたま」なのではないかと思っている。

身も蓋もない意見で申し訳ないが…

試合を見ていると、良い投手は本当に素晴らしい球を投げている。それに、今年は開幕からコロナ特例で大人数が抹消されるケースが多く、半1軍のようなチーム状況でスターティングメンバーを揃えなければならなかったチームも多かった。

試合に出ている超一流バッターが少なければ、それだけ投手の成績が良くなるのも必然ではある。

開幕から調子の悪いバッターが多いようにも見受けられる。昨年パの覇者であるオリックスは、福田宗杉本がようやくこの交流戦から調子が上がってきている。

例年に比べ、まだ涼しい時期が続いているのも関係しているかも。

 

真夏の酷暑は投手のスタミナを著しく奪う。個人的には、これから打者はどんどんと成績を上げていくのではないかと思っているが、どうだろうか。

皆さんの意見も気になるところだ。

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