【バジリスク~甲賀忍法帖~】各話サブタイトル・次回予告まとめ【考察】

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『バジリスク~甲賀忍法帖~』は2005年のアニメだ。

60年以上前に山田風太郎御大が書いた小説『甲賀忍法帖』を「映像化不可能」と称されながらも、漫画家のせがわまさき氏が非常にクオリティの高いコミカライズを実現させた。

2005年にアニメ化が為されて以来マイナーな良作扱いされてきたのだが、パチスロが大当たりして以来はメジャーになりつつある。

今回は、アニメ・バジリスクの秀逸なサブタイトルの意味を全話考察し、次回予告をまとめていく。

※注意 ネタバレあり

バジリスク~甲賀忍法帖~ 次回予告まとめ・タイトル考察

憎しみ合う者たちがいた

骸は 野に朽ち

御霊は 血に染まり

絆は 刃に分かたれた

闇に潰えし 真心が啼く

愛する者よ 死に候え

第一話 相思相殺【そうしそうさつ】

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は慶長一九年

徳川家康の下に馳せ参じた伊賀と甲賀、両国の頭領

そこで告げられるは、戒めの解禁と命懸けの代理戦争

今ここに、人智を超えた忍法合戦が始まりを告げる

次回 バジリスク~甲賀忍法帖~『相思相殺』

 考察

甲賀弦之介伊賀の朧

そして互いに夢を語り合い、甲賀と伊賀が手を結ぶ未来を思い描いた若き日の二人。

甲賀弾正伊賀のお幻。星の巡り合わせが違ったがために、かつて愛し合っていた二人が殺し合う。『相思相愛』に、「思い合う、しかし殺し合う」という意味を込めた悲壮なサブタイトル。

第二話 胎動弐場【たいどうにば】

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賀と伊賀

その天地に安寧の風通う明日

信じて番うは麗らかなる二つの心

慎ましき逢瀬の夜空に 血風の狼煙たる秘巻が舞う

次回 バジリスク~甲賀忍法帖~『胎動弐場』

 考察

弐場とはセカンド・ステージ、つまり物語が遂に次の幕に向けて『胎動』ー動き出すといった具合だろう。

弦之介と朧が逢瀬を重ねている一方で、惨劇の胎動が少しずつ大きくなってくるのだ。

更に伊賀副頭領・薬師寺天膳の出生の秘密を鑑みると、様々な意味を持つタイトルだと捉えることも出来る。

第三話 凶蟲無惨【きょうちゅうむざん】

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戦の約定は解かれた

蒼い闇の底に魔人の群れが放たれる

土煙る獣道、蜘蛛の巣の罠、咲き誇る胡蝶の大輪花、糢糊と蠢く異形の者

次回 バジリスク~甲賀忍法帖~『凶蟲無惨』

 考察

凶蟲とはおぞましい蜘蛛のような姿をした風待将監のことであり、無惨な最期を暗示したタイトルなのであろう。

しかし、である。その強力無比な戦闘力で蓑念鬼筑摩小四郎小豆蝋斎を圧倒した将監を翻弄し、最終的に殺害せしめたのは、蟲を操り使役する蛍火であった。感情的になりやすい故に、残虐にもなる蛍火を凶蟲だと暗喩することも出来るのではなかろうか。

第四話 妖郭夜行【ようかくやこう】

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巻く憎悪、突き刺さる敵愾

ひたむきな若さは全てを許し、理想を謳う
曇らぬ決意を余所に、宵闇をしぶく真紅の霧
衰残の身で笑う老獪なる刺客
鍔隠れ、春の夜の宴
次回 バジリスク~甲賀忍法帖~『妖郭夜行』

 考察

妖しい裏通りを想像してほしい。昼間ですら怪しくて危ないのに、夜にその道を歩くなんて狂気の沙汰である。まるで『スラム街で裸の美女が歩く』ようなものだ。『不戦の約定』解禁をいち早く知った伊賀に足を踏み入れていく甲賀弦之介の、その行く末を案じているかのようなタイトル。

第五話 忍者六儀【しのびのりくぎ】

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靄に沈む甲賀の里
北方より迫り来る凶気、率いるは非業の邪念
泰然たる老木に何を思う
奇襲、それは忍者の常道
卍谷北の辻が今、血の泥濘と化す
次回、バジリスク~甲賀忍法帖~『忍者六儀』

考察

六儀とは決められたさだめ、ルールのこと。ここでは忍者のルールということか。

伊賀十人衆が甲賀を急襲、伊賀にいる弦之介の身を盾に迎撃する甲賀衆を殺戮する。その様子に副頭領の室賀豹馬は不戦の約定が解禁されたのではないかと訝しる。

不戦の約定が伊賀衆によって一方的に「破られた」と考えないのは、忍にとって目上の存在(服部半蔵)から定められたルールというものが、如何に大きいものなのかを伺うことが出来る。不戦の約定そのものを指したタイトルと捉えることも出来るが、忍者とは道具であり、君主の命令や定めは絶対的であり逆らうことなどあり得ないのだという見方も出来る。

第六話 降涙恋慕【こうるいれんぼ】

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澹たる空が風雲急を告げる
降りしきる雨、切なる祈り
焦れる胸を掻き抱き、待ち濡れる女
長き宿怨の呪縛、その狭間に、また一つ潰えて消える譲れぬ未来
次回、バジリスク~甲賀忍法帖~『降涙恋慕』

 考察

乙女の涙は、それがそのままメタファーとなる。

祈り、願い、そして不安。涙を流して恋人の帰りを待つ少女。

しかし夜叉丸は遂に彼女の元へと帰ることはなかった。

第七話 人肌地獄【ひとはだじごく】

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われの身に迫る蹂躙と汚辱
戦慄の秘術が今、遂に明かされる
野生美に満ち満ちた豊麗なる乙女の蠱惑
凄惨なる倉の檻に、むくつけき者が転がり、這う
そして忍び寄る、春の夢、破られし時
次回、バジリスク~甲賀忍法帖~『人肌地獄』

考察

人肌地獄とは、お胡夷の吸血忍法を表したタイトル。

それがそのままお胡夷の忍法名でもある。柔肌から吸血し、確実に敵を失血死せしめるその忍法は、まさに凄絶なる地獄のようなさまである。

第八話 血煙無情【ちけむりむじょう】

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虐なる獣の法悦、壮絶極まる断末魔
そこは血の池、針地獄
黄泉の淵に聞く懐かしき声
消えゆく灯火の最期の揺らめきが、汚れ無き者の頬に死微笑を刻む
次回、バジリスク~甲賀忍法帖~『血煙無情』

考察

無情とは情け容赦のないさま。血煙とは血が煙のように激しくほとばしるさまを言うので、お胡夷を串刺しにした念鬼の非情で残虐な攻撃という意味が込められたタイトルだろう。

前話で恐るべき吸血忍法を持って蝋齊を斃したお胡夷も、最期は身体中から血が吹き出して死ぬさだめであったのだった。

第九話 哀絶霖雨【あいぜつりんう】

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の雨に煙る幽愁の花
深沈たる姿が孕む憤怒と無念
愛しき者の声に、心を置いて振り向かぬ小国の王
断絶の淵に今、全てを血塗る金色の閃光がきらめく
次回、バジリスク~甲賀忍法帖~『哀絶霖雨』

 考察

霖雨は長く続く雨。

つまり最期まで続くこの忍法合戦のメタファーということ。

そして弦之介と楔を分たれた朧の哀絶。その想いは霖雨のように。

第十話 神祖御諚【しんそごじょう】

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めぎ合う魔物達
それは、妖異みなぎる錚々の戦士
冷ややかに座す天下人の欲するは、出づる賽の目のみ
めくるめく地獄絵図の走馬灯
徳川三百年の礎をなすは、無辜の民の血と、涙
次回、バジリスク~甲賀忍法帖~『神祖御諚』

 考察

神君・徳川家康にとっては、忍などただの駒でしかなく、無論情などない。

水面下で行われている策謀、甲賀伊賀両国の思惑、悲恋、死にゆく者たち、それらすべて家康にとってはどうでもいいことであり、興味があるのはこの忍法合戦の結末だけなのだ。

御諚とは命令であり、今回の争忍を指す。ここまでの忍法争いの詳細を、服部半蔵とその息子恭四郎から聞かされる家康。半蔵が驚愕するほどの壮絶なる甲賀伊賀の争いを耳にしても眉一つ動かさぬのは、やはり家康が天下の大人物たる所以なのである。

第十一話 石礫無告【せきれきむこく】

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望とともに塞がれた、晴明なる瞳
情愛と疑念の間にのたうつ清廉なる魂
闇の深淵に死の光閃く時、断末魔の咆哮がさまよう胸を責め、苛む
甲賀の五人、伊賀の七人
東海道、忍法死争の旅
次回、バジリスク~甲賀忍法帖~『石礫無告』

考察

石礫とは小さな石の意。小さな石ころの言うことなど、誰も聞く耳を持たぬ。

家康に真意を聞くために東海道を旅することを決意した弦之介ら甲賀一行だが、どちらにせよ彼ら忍の上告など、家康が聞き入れよう筈がないのだ。家康にとって忍など路傍の石に同じ。争う彼らの苦しみを、神である家康が気に留めることなどあり得ない。

第十二話 追想幻燈【ついそうげんとう】

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肌を染め滴る赤き血の滴
たぎる怨念はやがて永劫の呪詛となり、可憐な花を夜叉へと変える
謂れ無き理不尽への哀訴の如く、なお降り止まぬ雨
光を奪われし者が懊悩の底に見出す一縷の救い
次回、バジリスク~甲賀忍法帖~『追想幻燈』

 考察

甘美な恋の思い出は、儚き幻燈のようにぼんやりと思い起こされる。

それは残された女たちを苛み、また救いとなる。相手を想う哀しいタイトル。

第十三話 胡蝶乱舞【こちょうらんぶ】

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一刻を争う西走
行き悩む背に忍び寄るは、変化自在の仇敵
涙雨に濡れそぼる幽寂の底へと、幻を抱き、堕ちゆくうら若き恋情
巡る、巡る悲劇
定めと呼ぶにはあまりにも無慈悲な、それは修羅の道行き
次回、バジリスク~甲賀忍法帖~『胡蝶乱舞』

考察 

胡蝶とは虫を使役する蛍火のこと。儚げで美しい蛍火は、まさに蝶と呼ぶのがピッタリである。乱舞が散り行く最期のときを思わせるタイトルといえよう。

第十四話 散花海峡【さんげかいきょう】

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倶戴天と成り果てた縁
かくしてなお、幽翠の追憶に身を委ね、思いを馳せる乙女の哀れ
主従の規律を超え迫る、陵辱の魔手
潮騒を裂く悲痛なる叫び
葛藤の鼓膜に焼けつくその声が、忍ぶ者を追い詰める
次回、バジリスク~甲賀忍法帖~『散花海峡』

考察

海で命を散らした雨夜陣五郎(あと天膳)を指すとも言えるだろうが、まあ深読みをすると朧の貞操の危機を表しているのかも…と思える。

第十五話 波涛獄門【はとうごくもん】

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茫たる海原を行く死闘の裁断
瞠目の妙術と隠形滅形の秘術が、内なる怨讐の火花を散らす
過ぎし日の誓いを嘲笑う兇刃
夕霞に待ち受ける無情の末路
西の果てより、赤き残光が今際を照らす
次回、バジリスク~甲賀忍法帖~『波涛獄門』

 考察

獄門とは大衆の目の前で行われる見せしめのための処刑。伊賀衆は、隠形の術を使用したままトドメを刺された霞刑部を甲賀衆に見せしめた。波涛(ここでは恐らく海上の意)で行われた公開処刑、といった感。

もしくは、仲間の無惨な姿を見せつけられた甲賀衆の心境こそ、波涛のようだったのではあるまいか。

第十六話 懐抱淡画【かいほうたんが】

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れを知らぬ心根、曇りなき志
同胞と違わぬ隣国を知り、時を経て相寄る純真
再びその目に互いを映し、共に歩み始めし日の風の音よ
童心爛漫たる瞳の記憶
淡く儚い早春の芽吹き
次回、バジリスク~甲賀忍法帖~『懐抱淡画』

 考察

この回は各々の平和な過去が描かれているほのぼの回。

懐かしさを抱いた、淡い画…つまり、平和だった頃の懐かしい思い出ということ。血を血で洗う忍法合戦に身を置かれている忍たちの現状を省みると悲しくなってくる。

第十七話 昏冥流亡【こんめいるぼう】

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海道池鯉鮒の原野に唸る血刃
叢雲を散らす積怨の殺風
相容れぬ事を赦す背に、添う心眼が映すは、苦悶
無明の淵に立つ者達の魂が咽び、祈りは、やがて、震える刃となる
次回、バジリスク~甲賀忍法帖~『昏冥流亡』

考察

見えぬからこそ見えるものがある。昏冥とは何もわからぬ状態。盲目となって間もない筑摩小四郎が、行く当てもなく何が何やらわからぬまま彷徨う。小四郎は目が見えぬだけなのではない。絶対の忠誠を誓っていた天膳への不信、そしてこの忍法合戦への疑念。「俺は何故、いつから甲賀を憎んでいるのだ」という小四郎の台詞に全てが語られているといえよう。

目が見えぬ小四郎が彷徨う様子、そして出口が見えぬ小四郎の心の葛藤や疑惑、戸惑いやためらいを表したタイトル。

第十八話 無明払暁【むみょうふつぎょう】

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明届かぬ闇の決闘
相対せし兵は、将領と雑兵
守るべき者のため、愛しき命のため、二羽の猛き鳥が今、己の全てを懸ける
凄絶の最期によぎる、真実の眼
惨、ここに極まれり
次回、バジリスク~甲賀忍法帖~『無明払暁』

 考察

無明とは、仏教用語で迷いの事である。特に様々なメタファーが込められているこのタイトルだが、まず幼少期の源之助と豹馬のエピソードを表していることが挙げられるだろう。瞳術の特訓をする弦之介が心眼の極意を会得したということが夜明け(払暁)で表されている。

そしてもう一つ。元よりの盲人である豹馬と、源之助の瞳術によって光を奪われた小四郎の闇夜での死闘。ここでポイントなのは、眼が効かぬ闇での戦いならば既に心眼を会得している上に、夜限定で発動する最強忍法『矛眼術(バジリスク新章・桜花忍法帖より)』を駆使する豹馬が圧倒的に有利であるということ。しかし、小四郎は眼を潰されていたからこそ瞳術が効かず、闇夜という小四郎の最も得意とするステージで互角以上に戦うことが出来た。

無明とは闇である。光の見えぬ戦い、夜明けの見えぬ戦い。この忍法合戦に通ずるのではあるまいか。

第十九話 猛女姦謀【もうじょかんぼう】

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影を抱き、崩折れる屍
縋りしは、初めて堰を切る女の呻き
妖気立ち昇る月下、死の淀みより、三度喘鳴と拍動響く頃、風絶えし野に現るる葵の女傑
今ここに、甲賀伊賀、争忍の真意が明かされる
次回、バジリスク~甲賀忍法帖~『猛女姦謀』

 考察

猛き女=阿福。つまり悪女が姦計を張り巡らせるということ。

本来なら御法度の外部からの助っ人である。これも全ては我が子を次の将軍にせんがため。女は愛する子のためならば鬼になるというが、この阿福はまさにそれであろう。女傑と呼ぶに相応しい肝っ玉の据わった女だが、同時に悪女である。

第二十話 仁慈流々【じんじりゅうりゅう】

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暮の夕暮橋
閑寂なる女の待ち姿
弔いの霧をかき裂いて、殲の一意が玲瓏の胸を抉る
一掬の縁に込めた慈悲
仇の中に見えし人
水面にたなびくは、赤い絹
次回、バジリスク~甲賀忍法帖~『仁慈流々』

考察

属する集団は違えども、みな同じような慈しみの心を持つ同じ人なのである。今でこそ人間みな平等が叫ばれる時代になっているが、つい最近までは『人権』という考えなど及びもしなかったのである。

江戸時代、無論人は平等などではない。戦乱のない三百年余りの泰平を謳歌したのも、家康が歴史上稀に見るほどの極めて強力な中央集権型の政治組織を作ったのと同時に、明確に平民の身分を分けて民の不満を逸らしたこともその一因だ。

ましてや敵同士、相手を慮る気持ちなど微塵も無かったに相違ない。本質を見極めいた弦之介はやはり『瞳術』使いが故か。まさしく無明を照らす心眼の将たりえる器である。

変幻の忍法を以って敵に紛れ込む如月左衛門が、朱絹と触れ合って初めてそのことに気付く。「甲賀も伊賀も人に変わりはない。伊賀のたった1人でも良い。ちこう歩み寄ってみることじゃ」弦之介の言葉を思い出す左衛門。しかし、今となっては知る由もない。朱絹の屍体が河を流れゆく。左衛門の仁慈の心が如く、流々と…。

第二十一話 魅殺陽炎【みさつのかげろう】

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寂に開く壮麗なる鮮血の扇
窮地に艶めく緋牡丹
うねる絖の肌としとどの蜜が、死なずの情欲を聳やかす
嫋やかに影を抱いた法悦の息吹
誘うは、寂滅の涅槃
次回、バジリスク~甲賀忍法帖~『魅殺陽炎』

 考察

まーた天膳様が死んでおられるのか

というわけで天膳が陽炎に読んで意味の如く魅殺される。

こいついつも腹上死してんな

第二十二話 鬼哭啾々【きこくしゅうしゅう】

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枝の宿、無住の荒寺
責め苦にわななく瀕死の白蛇
闇を走る銀線が、凄艶無比の雪肌に影を刻む
悲痛なる抜刀、襲う断滅の刃
生ける亡者が、艶やかに星霜の牙を剥く
次回、バジリスク~甲賀忍法帖~『鬼哭啾々』

 考察

四字熟語で

『 悲惨な死に方をした者の浮かばれない亡霊の泣き声が、恨めしげに響くさま。転じてものすごい気配が漂い迫りくるさま

とある。弦之介対天膳、全てのものを背負っての最終決戦。彼らの振るう刃には、甲賀と伊賀の四百年に渡る怨念と憎悪、宿怨が込められているのだ。

その怨嗟は今回の代理戦争そのものを指しているのかもしれない。

第二十三話 夢幻泡影【むげんほうよう】

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るる涙を透かし輝く、燦たる命の光
断頭の邪眼に刻まれた、生と死の狭間に架かる血の縁
闇に散る火花
瑠璃色にきらめく切なる慈救と憐憫が、遂に妄執の不死鳥を射る
次回、バジリスク~甲賀忍法帖~『夢幻泡影』

 考察

儚いもののたとえ。所詮は生まれた星が違うたと、 嘆く以外に何ができたろうか。徳川家康は神なのである。この時代、運命に抗うことなどは出来ない。ましてや忍である。

甲賀と伊賀が手を結ぶ平和で幸せな未来。それは今となっては夢幻泡影の如く。

最終話 来世邂逅【らいせかいこう】

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清なる春の終わり
なお楚々として、寂として、穢れ無き二つの魂が葵の闇へと堕ちる
玉響に消え行く泡の如く、蒼き月冥の隠り世へと、絆を抱きたゆたう悲恋
幾瀬を越えて、また相寄らん
幾世を行きて、添い遂げん
バジリスク~甲賀忍法帖~最終回『来世邂逅』

 考察

タイトル予告の通り。

「思うことがあるのでございます…。弦之介様と私は、遠い昔、一つの魂だったのではないかと…。なればこそ、私はこんなにも弦之介様に…」

「…一つの魂ならば、また相寄るじゃろう…」

願わくば来世で…再び逢い見えんことを…。

終わりに

というわけで、ここまで自分なりの考察を書き記した。難しいタイトルが多いが、ただかっこいい雰囲気だからとかいう理由で適当に付けられたわけでなはい。

特にバジのスロットを打つ人には、こういう意味なのかと思いながら打ってほしい。楽しさが倍増するはずである。

ちなみにではあるが、せがわまさき氏は『甲賀忍法帖』以外にも『魔界転生』『柳生忍法帖』などの山田風太郎御大の作品を幾つもコミカライズしている。どれも映像化不可避と呼ばれた困難な作品をコミカライズしたもので、ファンも納得の超絶クオリティの仕上がっている。いわゆる『エログロ』モノではあるが、ちょっとでも興味を持ったならば購入することをお勧めしておこう。

では、さらば。

追記

『バジリスク~桜花忍法帖~』のアニメ化が決定した。

この度、幣ブログにてコミカライズの実況をしてみることにした。こちらも是非読んでいただきたい。

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香川県ルーちゃん餃子のフジフーヅはバイトにパワハラの末指切断の大けがを負わせた犯罪企業.中卒社員岸下守の犯行.

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