営業ルーティンにより間違えて人生初のナンパをしてしまった話

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クリスマスだなテメエら!!いい子にしてたか?

そんな君たちにおうまサンタから楽しいお話のプレゼントだ!!

 デートの際の肴にでもするといい。願わくば、その後ベッドの上で腹上死してくれ。

 

スターバックスにて

つい先日の話。

私は東京に来てから絶賛ぼっちなうなので、仕事帰りに独りで池袋駅構内のスターバックスにココアを飲みに行った。

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最近仕事に追われ始めてきた私にとって、スタバは癒し的空間である。

とかく東京は時間の進みが速い。誰もかれもが早回しのように歩を進める。そして、それは私とて例外ではない。時間がない、時間がないとは最近の私の口癖である。

長野のクソ田舎でずっと過ごしてきた私にとって、シャレオツなカフェで過ごすというのは、それまでまったく無かった経験。

どうせ給料に営業手当が含まれているので残業代など出ないのである。専ら、就業時間外の見積り等の事務作業はカフェで行うようになっていた。

 

して、その日もいつものように18時頃に退社。スタバへと赴いた。大体混む時間帯は決まっており、この時間帯は特に激戦区と言っていいだろう。しかしどちらにせよ私はいつも一人であるし、どこでも空いている席に座るだけだ。

だが、この日は真ん中の「大きなテーブル」の2席しか空きが無かった。そしてその目の前には、読書をしている女の子が座っていた。図で表すとこんな感じ↓

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が、この構図が後に一波乱を巻き起こす要因となる。

前提

私は営業マンなのだが、商談の際には独特の営業ルーティンを持っている。

それは、「椅子に座りながら顧客に話掛ける」ということだ。基本的には私は商談の際、顧客が先に椅子に座るのを見計らってから座る。

わかりにくいかもしれないが、私と客が座った瞬間、話が始まる前の微妙な「間」が嫌いなのだ。同時に座ってしまうと、それが起こってしまう。それでは軽いアガリ症の私は、軽快なアイスブレイク・トークをすることができないのだ。

して、その営業ルーティンとはこんな感じである。

 

「いやー、それにしても…」などと世間話の導入部分をゆっくりと話しつつ、椅子を手前に引く。

②素早く座りつつ、「最近は…」と話を続ける。このとき、まだ相手の顔は見ない。

③椅子を引き、姿勢を整えつつ…

「暑いですね!!」ここで満面の笑み。

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この一連の所作を行うと、自然な笑顔で、緊張せず落ち着いて商談に臨むことが出来るのだ。

 

間違えて人生初のナンパをしてしまう!

営業ルーティン発動 

その日の私は疲れていたのだ。

残った見積りを片付けるつもりだったので、まだ仕事の延長線上だという思いもあったのかもしれない。

 …ああモルダー、あなた疲れてるのよ。

 

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そしてここで先ほどの図を今一度見ていただきたい。

手にドリンクを持ち、いろいろ考え事をしながら席に座ろうとした私は、空き席のうちどちらかに座る際に、「お客さんの隣にいきなり座るのは失礼だな」という謎の考えが頭をよぎったのである。いや、ほんとになんでいきなりこんなことを思ったのかわからない。無論、隣の人は私の顧客でもなんでもない。そして、これがいけなかった。この一瞬の考えは、私を一気に営業モードへと変えてしまったのである。

職業病というかなんというか、頭がボーッとしているときなど、身体が勝手に動いてしまうというあの現象に近い。

そして当然「お客さんの隣に座るのは失礼」なのだから、席をひとつ空けて座ることになる。

 

果たしてその端の席に座る際、

営業ルーティンは発動された。

 

「いやー、それにしても…」

椅子を手前に引く。

 

「最近は…」

椅子に座る。相手の顔は見ない。

 

③椅子を引き、姿勢を整えつつ…

 

「寒いですねっ!!」(満面の笑み)

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女の子「……(困惑)」

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対面の本を読んでいた女の子に。

 

『コムギ…?』

ガッツリ目が合った。

そうじゃなけりゃ、独り言を呟きながら前に座ってきたキモイ奴程度の認識で終わらせることができたのだが、笑顔で話しかけているという絵図である以上、言い訳のしようがない。

私はその瞬間、起こったことを即座に理解

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笑顔が能面のように固まる。

 

「やっちまった…!!」

 

 こうなってくると、次に発言する言葉が最も重要になってくる。

営業トークで最も恐れるのは「沈黙」である。瞬時に、そして的切な言葉を見つけ出し、この場を乗り切らねばならない。沈黙は死だ。

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まさしくこの状況下における私は、王(メルエム)に殺意を向けられたウェルフィンだったろう。

 

思考時間、わずかに1秒。

 

極限にまで圧縮された瞬間(とき)の中で、私が紡ぎだした言葉とは…?

 

 

 

 

 

 

「ヒマですか?」

 

 

 

 

 

 

喰われた。

 

馬男、ナンパ野郎になる

女の子「えっ…!?ああ、まあ…」

ギルティ。グレーが黒になる瞬間である。

100人中99人の女性は、笑顔で近づいてきた男に「暇?」って聞かれたらナンパか風俗の勧誘だろうと思うだろう。

最早これは私の知らない人間に対する対人経験の浅さと言う他あるまい。何故よりにもよって咄嗟に出た言葉があれなのか。

 

しかも、当然だが仕事帰りだったからスーツ(ワイシャツ)姿。私の理想は公私を混合しないサラリーマンなので、仕事帰りにナンパする奴みたいに思われるのはとても悲しい。

 

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↑理想

 

↓現実

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とても悲しい。

 

口説く!!

ことここに至っては、腹を決めるしかないだろう(実際には世間話みたいなものだったが)。

 

私「あ、本読んでるんですね。どんな本をお読みになっているのです?」

 

自分の得意ジャンルから話が広がるのではないかと思い、そこを攻める。

 

女の子「え、小説ですけど…」

 

私「へえ~どんな小説なんですか?」

 

女の子「普通の小説ですけど…」

 

私「はえ~どんなジャンルですか?」

 

女の子「どんなジャンルと言われても…」

 

私「……」

 

女の子「……」

 

 

 

取りつく島がない。

 

 

こんな感じの話題を必死で絞り出していた私だが、よくあのコ途中でどこかへ行ったりしなかったな…

いたたまれなくなった私は、

 

「いや…いきなり話しかけてごめんなさい。」

 

と全力でチキる。

 

すると彼女は、

 

「いえいえw私も暇だったのでいいですよwww」

 

と、まさかの好感触な返事!!

 

お?

なんやこれ?棚から牡丹餅、まさかイケるのか?

 

ジャッジメント

思えば、私はいつもあと一歩が踏み出せなかった。

挑戦する勇気。

これが私には足りなかったのだ。だが、もしかしたら今回の件は今の私から脱却できるいい機会になるかもしれない。

 

さあ、声を出そう。

昨日までの自分にグッバイ。

そしてカモン彼女がいる華の生活キャッホオオおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

 

 

 

「あ、よければLINEこうかn」

「あ、ごめんなさい私彼氏いるんで」

 

 

さいでっか。

 

-完-

 

おまけ

オチが弱いので、最近キレそうになったことをご報告して終わりたいと思います。

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馬鹿野郎そういうこと言うんじゃねえ!!!!!

 

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