目次
新必殺からくり人 -東海道五十三次殺し旅-
人の一生は旅に似ているといいますが…
本当にそうでございますねぇ
わたくし安藤広重が旅を描きました
東海道五十三次
綺麗ばかりで少しも人のため息が
聞こえてこないとか…
そんなことはございません
一枚一枚にせっぱつまった恨みとつらみ
つまりは殺してもらいたい人間をそっと描き込んである仕掛け…
お艶さん よッくごらんの上
東海道五十三次殺し旅
よろしくお願いいたします…
東海道五十三次をなぞり、殺して歩く
『東海道五十三次』に隠された恨みを晴らして歩く異色作。前作の「からくり人」とは関連性はない。
江戸プロフェッショナル・必殺商売人
春には春の花が咲き
秋には秋の花が咲く
わたしの花は何んの色
咲くならそっとスミレ色
目立たぬように咲きましょう
目立てば誰かが手折ります
手折られ花は恨み花
涙色した風下さい
涙色した水下さい
闇の商売人
裏稼業から足を洗えない中村主水。引き続き、「主水シリーズ」として続投することになった。新必殺仕置き人の後は、必殺シリーズもいろいろと試行錯誤の連続だったといえるだろう。
必殺からくり人 -富獄百景殺し旅-
神や仏がいなさって
悪を罰してくださると
小さいときに聞きました
それはやさしい慰めと
大きくなって知りました
やさしさ頼りに生きてはきたが
やさしさだけでは生きてはいけぬ
早く来てくれ
からくり人…
また絵に描かれた謎を追うからくり人
東海道五十三次殺し旅と同じようなプロット。
翔べ!必殺うら殺し
二つの眼(まなこ)を
閉じてはならぬ
この世のものとも思われぬ、
この世の出来事見るがいい
神の怒りか仏の慈悲か
恨みが呼んだか摩訶不思議
泣き顔見捨てておかりょうか
一太刀浴びせて一供養
二太刀浴びせて二供養
合点承知の必殺供養
SFみたいになった
迷走していたころのシリーズ。
今でも賛否両論…というか否定的な意見のほうが多い。
この作品の失敗によって必殺シリーズは打ち切り寸前に追い込まれたが、次作「必殺仕事人」によって完全に息を吹き返すことになる。
必殺仕事人
一掛け 二掛け 三掛けて
仕掛けて 殺して 日が暮れて
橋の欄干腰下ろし、遥か向こうを眺むれば
この世はつらぁいことばかり
片手に線香 華を持ち
おっさんおっさんどこ行くの
私は 必殺仕事人
中村主水と申します
『それで今日は、どこのどいつを 殺ってくれとおっしゃるんで…?』
必殺シリーズを再び浮上させた大傑作
主水シリーズの転換期にして頂点。
迷走を重ね、すわ打ち切りかと囁かれていた必殺シリーズを一気に挽回させ、必殺の顔とまでなった。
🗻一掛け、二掛け、三掛けて、
仕掛けて(四掛けて)
殺して(五六して)
日が暮れて(八が九れて)
この数字の言葉遊びのような口上が素晴らしい。
この作品以降、必殺といえばこの仕事人を指すようになる。
必殺仕舞人
~♪ 箱根 八里は
馬でも越すが
越すに越されぬこの世の峠
西が曇れば涙雨
東が曇れば恨み雨
どうせこの世は生き地獄
かわって晴らそう女の涙
この世の苦しみ仕舞人
この世の苦しみ仕舞人
この口上もかなり好き。この仕舞人から、仕事人シリーズの間に、別の短クール必殺シリーズが挟まれるようになった。
かなり早口である。
新・必殺仕事人
世の中は…
行くな戻るな居座るな
寝るな起きるな立つな座るな
生麦生米生卵
どじょうニョロニョロ
三(み)ニョロニョロ
合わせてニョロニョロ
六(む)ニョロニョロ
しっぽ押さえりゃ頭が逃げる、
頭押さえりゃしっぽが跳ねる!
とかくこの世は悪党揃い、
悪人ヒョコヒョコ
三(み)ヒョコヒョコ
四(よ)ヒョコ 五(いつ)ヒョコ
六(む)ヒョコ七(なな)ヒョコ
八(や)ッピョコ 九(ここ)ヒョコ
十(とお)ッヒョコ…
ええい面倒くせい!! 殺っちめえ!!
仕事人の続編
好評を博した仕事人の続編。
前作の仕事人同様、数字の言葉遊びのような口上になっている。
新必殺仕舞人
今の世の中 男は女の力に負けそうです
しかし昔 女は弱かった
破れ 傷つき 泣いていた
そんな時代の出来事です
女の涙に映った恨みを晴らして歩く
仕舞人一座の物語
それでは開幕の拍子木を鳴らしましょう
お命 ご用心
仕舞人の続編
こちらも仕舞人の続編。
これは続編にする必要あったのかな?とは思う。まあ、仕事人までのつなぎなので…
必殺の顔は、中村主水なのだ…
必殺仕事人Ⅲ
世の中の善と悪とを比べれば
恥ずかしながら悪が勝つ
神も仏もねえものか…
浜の真砂は尽きるとも
尽きぬ恨みの数々を
晴らす仕事の裏稼業
へへっ お釈迦様でも気がつくめぇ
仕事人3作目
仕事人のさらなる続編。
必殺渡し人
昔から悪の栄えたためしはないと
世の例えには言うけれど
どうやらそうではないらしい
山のあなたの国々も悪が栄えているという
わからない事ばかりだが
わかっている事ただ一つ
許せぬ悪を消すことだ
この世とあの世の境の場所に、船を浮かべて待っている
三途の川の渡し人
ここらへんから仕事人の間を取る作品が多くなる
別物といえるくらい人気シリーズとなった「仕事人」と、その間を取るという構図になっているので、ネタもなくマンネリ気味。
必殺仕事人Ⅳ
近頃世間に流行るもの
押し込み強盗高利貸し
賄賂をもらうえれえ人
金 金 金の世の中で
泣くのは弱い者ばかり
涙をふいておいでなせえ
恨みを晴らす仕事人
陰膳据えて待っておりやす
仕事人4作目
仕事人シリーズ4作目。
必殺仕切人
花が咲いても人は泣き、その泣き声は蝉時雨
月は晴れても心は闇で、逃げてさまよう雪の中
一年三百六十五日
鴉の鳴かぬ日はあれど、悪人笑わぬ日とてない…
恨みを断ち切る仕切人
浮き世の気晴らし なすってくだせえ
恨みを断ち切る
ここらへんからよくわからない。
必殺仕事人Ⅴ
お医者さまでも草津の湯でも
恋の病は治らねえ
恋の闇よりなお暗い 恨みの夜の稲妻に
姿が浮かぶ仕事人
顔は見ねえでおくんなせえ
心の闇を晴らして見せやす
仕事人5作目
仕事人シリーズ5作目。
必殺橋掛人
十月十日に生を受け、七五三なら祝い事
もめ事 泣き事 勝負事 さらに加えて弔い事
裏切り 騙され 捨てられる
疲れ果てたらおいでなせえ
この世とあの世の橋掛けに
そーっと送ってさしあげやしょう
あの世とこの世の橋掛け人
これもよくわからん。すみません。
必殺仕事人Ⅴ 激闘編
🗻寂しさに 宿を立ちいで 眺むれば 空に真っ赤な 雲の色
この世は真っ赤な嘘ばかり
嘘と悪とで押しつぶされた
お前に代わって悪人どもを
真っ赤な血潮で染め上げましょう
仕事が済んだその上は、
🗻これやこの 行くも帰るも 別れては
知るも知らぬも お前と私…
仕事人の掟でござんす
激闘編
仕事人シリーズも流石にマンネリ化が激しく、いよいよ終わりの時が近づいてきた感がある。
必殺まっしぐら!
天に二つの陽がないように
闇の世界も二つはいらぬ
江戸の二つの闇組織
どちらが勝つかサバイバル
まずかんざしの秀を消せ
暗闇指令の飛ぶ中を
秀 麻呂 東吉 桂馬のお銀
悪に向かってまっしぐら!
終わりに向かってまっしぐら
この作品はコメディ色が強く、ドラマという感じでもなかった。
必殺仕事人Ⅴ 旋風編
雪に白鷺 闇夜に鴉
紛れ隠れる悪い奴
正直者は阿呆鳥
これじゃあ理屈が合いません
世の中こんなもんだよと
あきらめないで来てくだせえ
どこにいようと探し出し
必ず仕留めてご覧にいれます
最後の仕事人
結局、最後まで仕事人が引っ張った形となった。
まとめ
仕方ないことだが、新必殺仕置人までのシリーズのクオリティが軒並み高い。毎週やっていたのは異常なクオリティである。仕事人からは、視聴率優先の、荒唐無稽なストーリーが増えてしまった。
ちなみに私は「必殺仕業人」の口上が特に好き。
七〇年代特有の、よくわからんヤクザみたいなオッサンのグラサンに中村主水が映し出されるという、雑コラみたいな導入からハードボイルドな口上がシビれる。西部警察みたいなドラマが流行っていたから、寄せたのだろうか…
あんた、この世をどう思う?
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