【デュエプレ】環境の歴史と変遷を解説!1弾から20弾まで【歴代環境デッキ・メタゲームまとめ】

第9弾「武者聖戦伝」環境

8弾の超パワーカードが次々と規制 コントロールとミッドレンジ中心の低速化メタゲームに

9弾では、引き続きグッドスタッフ性が高いカードが続々と追加され、いよいよコントロール系統のデッキが大幅に強化された。やはりゴッド・カードの汎用性の高さは強烈で、その柔軟性の高さとパワーの高さで多くのデッキの切り札として採用されている。後述するパワーカードの規制もあり、ビートダウンデッキや理不尽デッキが弱体化。何故か規制を免れた『竜極神ゲキメツ』は相対的なカードパワーを向上させている。

未だかつてないバランス調整が入る 前環境デッキは軒並みが壊滅

環境開始直後、プレイヤーに衝撃を与えるバランス調整が発表された。なんと、計4枚のカード、しかもすべてがティア1デッキの主力カードに調整が入った。

・インビンシブル・テクノロジー

DP殿堂。パワーカードには違いないが、このカードを使用するデッキパワー自体は適正と判断されていた。

しかし、今後のカードプールに大きな影響を与えるため規制が必要と判断された。この殿堂入りにより、【青単テクノロジー】は事実上デッキとして機能しなくなった。

・連珠の精霊アガピトス

8弾環境最強の汎用カードがナーフ。採用率、勝率共に非常に高く、ナーフは致し方ないと判断された。

光属性レベル2をリクルートする効果にナーフされ、適正な強さになったといえる。天門デッキにおいてはこの効果でも十二分に有用であり、いい塩梅の調整になったというべきだろう。

・超鎧亜キングダム・ゲオルグ

オールタッパーと味方全員を起き上がらせる効果がそれぞれ1体ずつにナーフ。

弱くはないのだが…。やはりナーフ前の効果があまりにも強すぎたので、これ以降まったく使われないカードになってしまった。

・驚天の超人

なんとコストが3から6にナーフ(!?)

流石にコスト6ではネタデッキにしか入らないクソ雑魚カードであり、これ以降まったく環境で見ることはなくなった。コスト3という軽さの上、『運命の選択』から13000Tブレイカーがスピードアタッカーで飛んでくるのが驚異的だったとはいえ、いくらなんでも弱体化しすぎな気がする。だが【驚天ビート】のデッキ基盤そのものは非常に優秀であり、驚天の超人の枠を『ガントラ・マキシバス』に差し替えた【ガントラビート】は今後の環境でも長く活躍するデュエプレを代表する名ミッドレンジデッキとなっていく。

 

以上のカードに規制、ナーフ措置が施された。いずれも環境の第一線で活躍していた強力なカードであり、前環境のティア1デッキは軒並壊滅した。【5Cゲオルグ天門】【アガピトスビート】【驚天ビート】【青単テクノロジー】などはデッキのコンセプトが崩壊する被害を被っており、続々と新鋭のデッキがメタゲームに参入する環境になった。

【5Cコントロール】、【バイオレンス・フュージョン】成立 ゴッドのパワーで蹂躙

TCGでもビッグマナの定番である、『フェアリー・ミラクル』がこの弾で登場。

これまでは緑抜きの4色で組まれることが殆どだったコントロールデッキにおいて緑を入れる意義が生まれ、【5Cコントロール】が成立。『策略と魅了の花籠』など汎用トリガーでかつ、貴重な緑・水マナ基盤として優秀なカードが登場したのも追い風となっている。

この環境は破壊耐性を持つクリーチャーが幅を利かせており、デーモン・ハンドより優先されることも多い。単色呪文を封殺する『聖鎧亜クイーン・アルカディアス』を除去できるということも価値が高い。

マナブーストでテンポを大きく稼ぎ、強力なゴッド「ゲキメツ」「ゼンアク」で相手を蹂躙する。

過剰マナブーストで14マナ溜めればG・リンク速攻が可能である点も見逃せない。8弾EXで登場した『光神龍スペル・デル・フィン』は最速ブーストから出せれば、不利対面の4Cコントロールや『バイオレンス・フュージョン』を封殺する強力なフィニッシャーとして積極的に採用された。

新たなSRゴッド『超絶究極神』はcipを持たないので汎用性に若干の難があるものの、リンク時は攻防一体かつ詰め性能がトップクラスの強力なゴッド。『アク』の横に『ゲキ』『メツ』を繰り出すのが強力なムーヴだった。

また、このデッキの派生的な立ち位置として、5Cビッグマナデッキ【バイオレンス・フュージョン】が登場している。汎用カードを『セブンス・タワー』などのブーストカードに差し替える必要があるので対ビートダウン耐性は大きく落ちてしまうものの、『バイオレンス・フュージョン』はまさに一撃必殺のスペルであり、「コントロールに対して強いコントロール」デッキとして一定の結果を残している。

 

ド派手な効果とド派手なコストを持つ。デッキを特化させる必要はあるが、13という莫大なマナコストを支払う見返りは十二分にある。

この時期の純正5cコントロールは環境序盤に流行したものの、リソース面で緑抜き4Cコントロールに不利がつき、速度面ではブーストしながら殴ってくる【ガントラビート】(後述)を食い止めることが出来ず、低速ビッグマナの【バイオレンス・フュージョン】にはテンポでも後れを取ることから、環境中盤~終盤は使用率が大きく低下した。

しかし9弾EXで『機械提督デリンダー』を獲得したことで真価を発揮していくことになる。

コントロールデッキが大きく躍進 ゴッドをブン投げ除去札を撃ち合う

そのほか、1コスト軽いアクアポインターというべき『猛菌恐皇ビューティシャン』、抜群の汎用性を誇り手打ちの軽さも魅力な『聖鎧亜ジャック・アルカディアス』、単色呪文・召喚をそれぞれ封殺する『聖鎧亜クイーン・アルカディアス』『聖鎧亜キング・アルカディアス』などの単体パワーが高くコントロール向けカードが多く登場したことにより、コントロール全盛ともいえる環境となっている。

ND落ちした『アクアポインター』のリペアとしても優秀なうえ、Oドライブを使わなくても軽量ブロッカーの壁としての役割も期待できる。

最強クラスの汎用Sトリガー。

攻防一体かつ非常に信頼性の高い防御札として、登場以降あらゆるデッキで活躍を続けている。

【緑抜き4Cコントロール】は基盤が屈強であり、フィニッシャーをゴッドに丸投げすることでデッキの柔軟性を底上げすることに成功している。

お互いの『超絶究極神』と『竜極神』に除去をぶつけ合うコントロール合戦はこの時期よく見られた光景。先に息切れしたほうがゴッドに蹂躙されるというわけである。

最強のゴッド『竜極神ゲキメツ』 比類なき最強フィニッシャーとして君臨

特筆すべき事項として、コントロールが強化され環境が前弾より低速化したことにより、いよいよもって『竜極神ゲキメツ』の汎用性に手が付けられなくなった。

もはやコントロール全般どころか、赤を採用するデッキでは入れない理由を探すほうが難しく、むしろゲキメツを入れたいがために無理やり火文明のカードを投入するなど、かつての『無双竜騎ボルバルザーク』を彷彿とさせるほどのパワーの高さを発揮している。同じく汎用性が非常に高い『ジャック・アルカディアス』とゲキメツをそれぞれ4枚採用することで火文明のマナ基盤を8枚確保できるのも大きい。

環境を歪めるほどのパワーカードとして、4投が必須の凶悪フィニッシャーとして君臨している。

『魂と記憶の盾』が最強の除去として活躍

また、『魂と記憶の盾』が4枚投入必須の最強除去カードとして特に大きな活躍を見せた。4コストの手打ちの軽さで、後攻の『コッコ・ルピア』やメカオー、ガントラビート全般に有効なのは勿論、『超絶究極神』『烈流神』に非常に有効であり、仮想敵も多いことから屈指の汎用性除去として採用率を大きく伸ばした。

この時期のコントロールデッキにはほぼ100%、4枚投入されていたといっても過言ではない。

【天門】は『聖鎧亜クイーン・アルカディアス』獲得でロック性能向上

コントロールの雄とでもいうべき【天門】は、ナーフされたが未だリクルートが強力なアガピトスから『霊王機エル・カイオウ』等を繰り出し、それを進化元にし『聖鎧亜クイーン・アルカディアス』や『聖鎧亜キング・アルカディアス』でロックをかける【4C天門】となった。実質的に【ゲオルグ天門】のリペアである。フィニッシャーはやはりというべきかゲキメツとゼンアク。

余談だがこの時期はコントロールデッキや多色クリーチャーが強力な環境であり、一方的に呪文で倒されてしまうキング・アルカディアスよりはクイーン・アルカディアスが優先されていた

ビートダウンは【ガントラビート】が大流行 カード資産的にも優しい

ビートダウンは強力なミッドレンジとして【ガントラビート】が大流行。

このデッキは前期に流行った【驚天ビート】をリペアしたようなデッキとして登場したのだが、ジャック・アルカディアスの登場により完成。そのデッキ完成度から瞬く間に流行することになった。

赤・白・緑の基盤がとにかく優秀なことで知られている。ガントラのパワー4000が秀逸で、除去や軽量ブロッカーを乗り越えてブーストしながらビートダウンしていく。

『運命の選択』からガントラ・マキシバスを投げ、マナブーストをしながらぶん殴っていく。運命の選択の効果条件となるモンスターは、ジャック・アルカディアスや『選択』からのリクルート先として共有できるアラゴナイトが優秀。

3ターン目ガントラ召喚、もしくは選択からガントラをSAで投げれば、4→6でマナカーブが繋がる。このときの【ガントラ】は、タッチで青を加えた青ガントラが主流であった。その理由は後述する『烈流神』を使いたいからである。

強力なフィニッシャー『ガルべリアス・ドラゴン』 そして『烈流神アギョウ・ウンギョウ』

6コストには強力な『ガルべリアス・ドラゴン』と『ボルシャック・大和・ドラゴン』などのSAアタッカーを採用し、積極的に攻撃をしていく。

最終的には、相手に合わせてスペックが強化されていく『ガルべリアス』が残り、単純なSA高打点の大和は抜けていくことになった。

代わって、強力なフィニッシャー枠として採用されたのが『烈流神』である。

このカードの対策に多くのプレイヤーが頭を悩ませた。

7マナあれば即G・リンクで実質SA、アンブロッカブル、モヤシ、Wブレイカーという驚異のフィニッシャーである。マナが伸びるこのデッキとは相性が良く、7マナなくてもゴッド特有の柔軟性によりアギョウ、ウンギョウそれぞれ単体で戦っていくことも出来る。

もともとアギョウ・ウンギョウの押し付け性能は凄まじく、モヤシ効果により再利用が容易なことから、より一層『魂と記憶の盾』が必須の環境となっていた。

この『ガルベリアス』と『アギョウ・ウンギョウ』は環境においてとにかく強力なフィニッシャーとして認知され、それぞれレアリティもVR、Rなことから環境に蔓延することになった。5Cや4Cコントロールが流行する環境においてのガルべリアスは非常に強力であり、ゼンアクをアンブロッカブルですり抜け、ゲキメツをスレイヤーで撃ち取ることが出来るから、そのハイスペックの真価を十二分に発揮していた。

お財布にやさしいデッキ

デッキ内の必須SRカードが0枚なこと、カスタマイズ性にも富むことから、非常にカード資産的にやさしいデッキである。なおかつ非常に強力であることから、環境で大流行するのに時間はかからなかった。

大量に積むSトリガーのおかげで受けも非常に堅く、プレイングが簡単なので初心者にもおすすめのデッキである。

デザイナーズデッキが復権

8弾で強く抑えつけていたゲオルグやアガピトスが失墜したことにより、【アポロヌス・ドラゲリオン】、【グレートメカオー】、【ツヴァイランサー】などのデザイナーズデッキがまた暴れ始めた。

【ドリームメイト】は、ブーストしながらビートダウンしていくというデッキコンセプトが【ガントラビート】と被るため、影が薄くなった。しかし、アガピトスが抜けた穴は『烈流神』が埋めた。やはりアギョウ・ウンギョウのビートダウン性能は驚異の一言であり、ありとあらゆるデッキで押しの一手として採用」されている。

もともとの地力が非常に高く、当然と言えば当然ではあるが、『ジャック・アルカディアス』『魂と記憶の盾』等の汎用性を損なわないカードで進化元の小型を焼けるような環境なので、小型を小刻みに除去することで『炎槍と水剣の裁き』が十分に間に合う。

コントロールとビートダウンが入り乱れる群雄割拠の割拠の環境といえるだろう。

また、環境で活躍するコントロールへのメタとして、【ドルバロム】が使用率を大きく伸ばしている。

ドルバロムは特に5Cコントロール系統に対して大きく有利を取れる。マナブーストを積みまくって最速降臨をねらっう【黒緑ドルバロム】、コントロールに大きく寄せてフィニッシャーとして『バーロウ』からドルバロムを投げる【4Cドルバロム】が主に環境で活躍している。

そして、EXパックリリースとほぼ同時に、『超新星アポロヌス・ドラゲリオン』のDP殿堂が発表された。

ゼロ・フェニックス襲来

9弾EXパックで『暗黒凰ゼロ・フェニックス』が登場。

シールド焼却、自己完結リアニメイト、凶悪なpigを搭載し、最短3ターンでゼロ・フェニックスの最速召喚を狙える【ゼロ・フェニックス速攻】が大流行したが、環境デッキに速攻で対策されて叩き潰されたため、一瞬で廃れた。しかし、その原型は後の害悪デッキ【ゼロフェニハリケーン】に引き継がれていく。

このカードはコントロールのフィニッシャーとして真価を発揮した。4Cコントロールにフィニッシャーとして投入され、【ゼロフェニコントロール】が台頭。ジャック・アルカディアスやビューティシャン、ベガなどCipを使い終わったクリーチャーを進化元に出来るので無駄がない。

盾焼却効果を持つことから信頼性が高く、【ボルコン】がここまで進化したかと考えると感慨深い。非常に強力なコントロールデッキとして認知され、瞬く間に9期のトップメタとなった。

【サバイバー】もエクストラパックで追加され、アドバンテージで相手を圧殺できるビートダウンデッキとして活躍している。

9弾環境総括:コントロールが躍進し、環境が群雄割拠に

9弾はデザイナーズカードではなく、強力なグッドスタッフカードが多かったことでコントロールデッキが強化され、環境の低速化が進んだ。

7~8弾で凄まじいインフレが進んだが、ようやくこの弾で落ち着きを取り戻したのではないかと思っている。環境を壊すほどの突き抜けたパワーカードは少なく、純粋なアドバンテージの取り合いを楽しめた印象である。

しかしやはりゴッド・カードの強力さは群を抜いており、環境の中心にいると言っていいだろう。コントロールではゲキメツ、ビートダウンではアギョウ・ウンギョウが必ずと言っていいほど採用されており、その柔軟性と汎用性で活躍している。

ジャック・アルカディアスの登場も特筆すべきだろう。このカードが環境に与えた影響は非常に大きい。殴れる火力付きのブロッカートリガー獣ということで、ケアしなければならない選択肢が増えたことになる。

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