【デュエプレ】環境の歴史と変遷を解説!1弾から20弾まで【歴代環境デッキ・メタゲームまとめ】

第17弾『ライジング・アライズ-希望の王女-』環境

なんと『母なる大地』が登場。流石にコストは7になったが、それ以外はTCG版から変更されず、伝説のカードをフルスペックで運用できる。

7コストとはいえSトリガーも付いており、汎用性が高い呪文であることに変わりはない。

全体的に高いカードパワーを持つ、環境を塗り変えうるカードが多く登場した。後述のリュウセイ・ホールはその筆頭である。

黒船襲来!!『超次元リュウセイ・ホール』

10年先の未来に登場した汎用呪文が、ほぼそのままのスペックで登場してしまった。

結論を先に言えば、『超次元リュウセイ・ホール』こそが今環境を定義付けたカードとして最も相応しいと言えるだろう。

TCG版では10年未来の拡張デッキで登場したこのカードは、リュウセイ・ホールを採用できるデッキとそれ以外のデッキとで格差を生み出すほどの圧倒的な汎用性の高さを誇る。

まず、3色のシータカラーでマナ基盤として優秀。5マナと軽いながら、3000火力・ドロー・マナブーストを、状況に応じてモードで選べる対応力の高さ。そして出せるハンター・サイキック・クリーチャーがすべて極めて優秀と、非の打ちどころが見つからない、まさにスーパーカードである。

ハンターのサイキック・クリーチャーしか出せないが、出せるハンター・サイキックが優秀であるため、まったく問題にならない。

防御面で非常に頼りになるプリンプリン、そのターンの相手マナをロックしテンポを大きく稼ぐ勝利リュウセイ、スピードアタック+マッハファイター効果を持つ勝利ガイアール。

これらの超優秀なサイキックを適宜呼び出せるうえ、自身も3つのモードから火力・ドロー・ブーストを選べるリュウセイ・ホールはあまりにも恵まれすぎていると言わざるを得ない。

単純にボルシャック・ホール+エナジー・ホール+フェアリー・ホールの効果を併せ持ちながら、強力な汎用サイキックを状況に応じて使い分けることのできるカードパワーは、このカードの4枚採用がデッキの基盤となるレベルである。TCGにおける『天災デドダム』レベルで、色さえ合えばまず採用が検討されるカードといえるだろう。

【Nエクス】完成へ

上記の『リュウセイ・ホール』と今弾登場の『ドンドン吸い込むナウ』を獲得したことにより、前弾から格段にデッキパワーを上げたNエクスが環境序盤を席巻した。

ふざけた名前とは裏腹に、非常に汎用性が高い万能呪文。

同型やビートダウン対策のために『超次元ホワイト・グリーンホール』や『DNA・スパーク』を採用したタッチ光型が環境の主流になり、メタゲームの中心となった。

しかし、デッキパワーは非常に高いものの、結局単純に打点を並べてブン殴っていくデッキであることは前弾より変わらず、「これを出せば勝ち」といったような圧倒的フィニッシャーの不在に悩まされるようになる。リュウセイホールは非常に強力だが、デッキの潤滑油であって1枚で勝負を決めうるカードではない。

つまり、殴り合い上等のデッキに対しては強いが、コントロールやコンボデッキに対してはN・ワールドを通せないと辛いなどの脆弱性が露呈されてきたのである。

エイリアン躍進!最強ガガ・アルカディアス

リュウセイ・ホールや吸い込むナウなどの強力な呪文を軒並みロックし、ハンターに対する強力なメタを持つドロマーエイリアンがNエクスへのメタデッキとして躍進した。

汎用的なSトリガー獣のうえ、ハンターのドラゴンを除去できるためNエクスへの強力な回答となる。

ガガ・コロリン等のハンターメタにより終始優位に戦えるうえ、フィニッシャーのガガ・アルカディアスがなにより強力。

呪文に依存するデッキが多いため、ガガ・アルカディアスに進化さえできれば、そのまま速やかに殴ってゲームエンドなんてことも。

3~4枚採用されている準フィニッシャーのL・デストラーデもとにかく強力。

ビートダウン環境なので盾追加は単純に強力だし、ガガ・カリーナなどと組み合わせることで連鎖により膨大なアドバンテージ獲得を狙える。優秀なCIP持ちが多いエイリアンとの相性は抜群であるといえるだろう。

とはいえエイリアンはデッキパワー自体が高いというわけではないので、プレイングが重要である。

『ヴォルグ・サンダー』登場 MRCは新たな領域へ

自分の墓地を大きく肥やせる可能性のあるサイキック獣『ヴォルグ・サンダー』が登場。

このカードの登場により、MRCデッキはいわゆる「呪文型」と言われるタイプへ大きく様変わりした。

デッキのほとんどを超次元呪文や除去呪文で構成し、3コストチャージャー→5コスト闇超次元呪文へと繋げヴォルグ・サンダーを繰り出し、大量に墓地肥やしを行うことでMRCの早期着地を狙うのである。

墓地肥やしの枚数は運が絡むことも多いが、一気に大量に墓地を肥やせるため、相手の墓地メタが間に合わないことも多い。速やかにヴォルグ・サンダーの着地を狙うため、コンボデッキとしての側面が強くなった。

強力な呪文を一気に墓地に送ることが出来るため、MRCの踏み倒し先の呪文に困ることがまずなくなった。

理不尽デッキ筆頭!【青緑タッチ黒『若頭 鬼流院 刃』】トップメタ君臨へ

今環境もありとあらゆるデッキが入り乱れる群雄割拠であったが、環境中盤以降に開発されたとあるデッキの登場により環境に激震が走ることになる。

その名も【『若頭 鬼流院 刃』】

前弾で登場したこのカードは、専用デッキが組まれることもあったが安定性の低さからティア2~3止まりで、マイナーとさえ言っていいほどであった。

しかしこのカード自体は非常に強力であり、たまにビッグマナ系統のデッキで使われることがあるくらいだった。

しかし、今弾でビッグマナと相性のいい『母なる大地』が登場したことで状況が一変した。専用デッキにおけるこのカードは「出せば勝ち」レベルの超強力カードであり、マナに置いたこのカードを引っ張り出せるようになったことで一気に安定性が向上したのである。コンボパーツをサーチし、除去カードとしても機能するドンドン吸い込むナウの存在も大きい。

だが、このデッキの神髄は、刃召喚による相手の盤面全処理、マナブースト、そして『母なる大地』によって色の合わない大型クリーチャーを召喚し、トリガーのカウンターすら許さないワンショットを仕掛ける、その驚異的なソリティア性にある。

具体的には、『復活の祈祷師ザビ・ミラ』召喚からのガロウズ・デビルドラゴン+シンカイヤヌスのパッケージである。

マナに主要パーツさえ準備できてしまえば、刃召喚からの『堀師の銀』、『スーパー大番長「四つ牙」』の疑似ループによる大量マナブースト&相手クリーチャーをすべてマナ送りにし、増えたマナから母なる大地を唱え、ザビ・ミラを召喚。

刃により場に出た大量の自然ハンタークリーチャーをそれぞれシンカイヤヌス1体以上、ハイドラ・ギルザウルス、ザビ・リゲル、ガロウズ・セブ・カイザーへと変換し、ガロウズ・セブカイザー、ハイドラ・ギルザウルス、ザビ・リゲルの3体がPs覚醒リンクしガロウズ・デビルドラゴンに。

ハイドラ・ギルザウルスの召喚にシンカイヤヌスが反応しループ覚醒、ヤヌスグレンオーに。効果でザビ・ミラをSA化。結果、即時攻撃できるクリーチャーを4体以上生成でき、最大8打点でワンショットが狙える。

しかも、ガロウズ・デビルドラゴンの攻撃による3打点からはSトリガーを使用することが出来ず、よしんばなんとか攻撃を耐えしのいだとしても、自軍のクリーチャーは全滅しており、攻撃できるクリーチャーはタップされている刃に攻撃しなくてはならないという絶望的な盤面を相手に押し付けることが出来る。

このように、コンボが一度決まってしまえば巻き返しは極めて困難な理不尽デッキであり、刃の効果とトリガーの大地や吸い込むナウの存在からそれなりに受けも固いという、非常に強力なデッキであった。

筆者である私自身、何度も対戦したが、コンボが始動するとループデッキのような動きをするため相手ターンの時間が非常に長く、そういった意味でも相手にしたくないデッキであった。パワー17000で攻撃強制能力を持つ刃が一気に複数盤面に登場するためサイキック・コンボが始動できずとも制圧力が非常に高く、スパーク系のオールタッパーにも耐性がある。

上記のコンボが開拓されてからは、Nエクスにも有利が取れるということもあって環境中盤から終盤にかけて大流行し、一気にトップメタに躍り出た。

マナが溜まりさえすれば母なる大地1枚から始動し盤面が一気に強固になるのでコントロールはまったく歯が立たなかった。

「母なる大地」+「復活の祈祷師ザビ・ミラ」は黄金コンビだ

今弾以降、母なる大地とザビ・ミラはセットで採用されることが多くなった。

ザビ・ミラを色が合わないデッキでも採用できるメリットが大きいと周知された結果である。

盤面が固まり次第、大地でマナからザビ・ミラを引っ張り出し、ガロウズ・デビルドラゴンで相手のトリガーを封殺しながらワンショットを狙う動きは、多くのデッキがフィニッシュ手段として取り入れた。

特に面白いのは、ALLにおける【白緑ブリザード(タッチ黒)】である。天門系の受けが固いデッキが幅を利かせていた当時のALL環境において、マナを7まで伸ばしたあと、大地からザビ・ミラを繰り出し、ガロウズ・デビルドラゴンで安全なフィニッシュを目指すというもの。

Ps覚醒リンクにより、TCG版と比べても、ここまで活躍の場が増えたカードは類を見ないだろう。

17弾環境考察:結局最強なのはリュウセイ・ホール

振り返ると、デッキとして抜けたパワーを持っていたのは【鬼流院 刃】かもしれないが、結局のところ最強なのはリュウセイ・ホールであり、このカードありきの環境であったということに異論はあるまい。

赤青緑のシータカラー(Nエクス基盤)が強い時代はしばらく続きそうである。

 

※現在、引き続き加筆作業中 近日中に更新。

 

 

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