【デュエプレ】環境の歴史と変遷を解説!1弾から20弾まで【歴代環境デッキ・メタゲームまとめ】

第8弾「極神創世譚」環境

カード単体のカードパワーが極端にインフレする

7弾では、強力なフィニッシュ能力を持つフェニックスがゲームスピードをインフレさせたが、この弾では全体的にカード自体の単体性能がインフレした。

後にDP殿堂になるカードが1枚、ナーフ措置を施されるカードを4枚輩出したと聞くと、その異常さがわかるだろう。

 

特筆すべき事項として、この8弾ではゲームオリジナルシステムとなる『ゴッド・カード』が追加。

1枚のカードが2枚分のクリーチャーになるという仕様上、本家TCGの「ツインパクトカード」のような高い汎用性を誇る。

ゴッドは手札やマナ、墓地にあるうちはクリーチャーとして扱わないので本家TCGの超次元呪文に通じるものがある。その汎用性と、1枚のカードが2枚以上になるという特性はグッドスタッフ性が高く、環境の中心になっていく。

レインボーカードも久々に収録された。3色レインボーが追加され、それらは軒並み優秀である。

また、エクストラパックと呼ばれる追加パックが登場したのもこの弾から。new divisionでは2弾のカードまでが使用不可能になったが、新規カードのパワーが高すぎてそもそも過去のカードは殆ど使用されていない。

8弾環境筆頭クリーチャー『連珠の精霊アガピトス』

結論から言ってしまえば、この環境を支配したのは『連珠の精霊アガピトス』である。

公式Twitterでの公開当初は、「光文明のコスト3以下」をリクルートするという効果が物足りなく感じられ、過小評価されていた。同時期に公開された『超鎧亜キングダム・ゲオルグ』があまりにも単純明快に強力すぎたので、皆そちらに目を向けていたのである。

しかし、いざ8弾環境が開幕すると、『霊騎幻獣ウルコス』『剛勇王機フルメタル・レモン』等の優秀なレインボークリーチャーを状況に応じてタダ出し出来るこのクリーチャーは、予想を遙かに上回る強さを持つことが判明し、このクリーチャーはありとあらゆるデッキに採用されることになった。このカードの影響もあって、ウルコスは8弾環境において屈指の採用率を誇るカードになる。

6コストという手打ちでちょうどいい軽さに加えてリクルート効果とタップ効果は汎用性が高く、腐る場面が殆どない。パワー6000・Wブレイカーのブロッカーと基礎スペックも十分であり、ウルコスをリクルートすることでマナを伸ばしつつ打点を形成できるのは、単純ながら強力無比である。この環境においては、後述の【ゲオルグ天門】や【ドリームメイト】で進化元を供給できるという役割もあり、その汎用性に拍車をかけていた。フルメタル・レモンはデュエルに負けなくなる効果が強力で、【アポロヌス・ドラゲリオン】に対する回答札でもある。

8弾環境において、おそらく最高採用率を誇ったクリーチャー。文明、効果、種族すべてが優秀

エクストラパックで『居合のアラゴナイト』が追加され、このカードからアラゴナイトを召喚し、相手のパワー5000以下のクリーチャーを即座にタップキルするという芸当が出来るようになったことで、いよいよこのカードの凶悪性に歯止めが効かなくなった。

どのデッキに投入してもエースとしての働きが期待できるこのカードは後々ナーフされることになるが、仕方ない調整だったといえる。

【ドリームメイト】大躍進

7弾環境時点では『独裁者ケンジ・パンダネルラ将軍』以外に強力なクリーチャーが存在せず不遇を囲っていたドリームメイトだが、『ジェネラル・クワガタン』『幻獣竜騎ボルパンサー』『霊騎幻獣ウルコス』を獲得したことで遂に本領を発揮。

光自然の【ドリームメイト】が強力なビートダウンデッキとして環境で大暴れし始めた。

自身を探索しマナに送ることで、疑似破壊耐性を得るという自己完結的な能力がとにかく強力。6コストという手打ちの軽さも魅力。どのような場面でも腐りにくいマナブーストに加えて基本スペックも高く、ビートダウンデッキに4枚雑に投入するだけでも、コントロールへの耐性を獲得することが出来たほどのパワーカード。のちにマナブースト効果が削除されるナーフを受けたが致し方無い。

『大冒犬ヤッタルワン』、『フェアリー・ライフ』⇒『猛烈元気バンジョー』⇒『パンダネルラ将軍』に繋げる2→4→5ルート、『ウルコス』⇒『パンダパネルラ将軍』に繋げる3→5ルートなど明確な勝ち筋が存在する。

基本スタッツの高さと、マナブーストとパンダネルラによる継戦能力の高さによって、【除去サファイア】などの除去コントロールは完全に速度負けし、環境から駆逐された。採用するドリームメイトの種類を絞ることでパンダの効果を最大効率で活かし、空いたスロットに大量のSトリガーを投入。受けをトリガーカウンターに丸投げしている。

また、アガピトスも積極的に3~4枚採用されている。このデッキにおいては貴重なブロッカーとしての役割を持たせられるのはもちろん、やはりウルコスをデッキからリクルート出来るのが非常に強力で、パンダネルラとの2大エースアタッカーとして運用された。

パンダネルラ将軍は純然たるパワーカードと化したが、特にインチキじみたムーヴを誇っていたのが『ジェネラル・クワガタン』がリクルートされた時である。ジェネラル・クワガタンはマナブーストのcipと、味方のドリームメイト・自身に疑似破壊耐性を付与する能力に加え、パワー7000・Wブレイカーが強力無比であり、早期に登場してしまえばそれだけでゲームエンドになるほどの強力なクリーチャーであった。除去コントロールが衰退させた原因であるといっても過言ではないほど粘り強く戦える凶悪さを発揮している。

特筆すべきは、前環境の覇者であるグレートメカオーに優位を取れるという点であろう。除去手段が乏しくフェニックス以外に攻撃手段を持たないメカオー軍団は、進化元を除去することが出来ないので一度パンダを出されてしまうと延々とボード・アドバンテージを稼がれてしまう。とはいえビートダウンデッキの宿命というべきか、後述の【天門】には弱く、繰り出されるブロッカーを対面で突破することが出来ない。

また、『超竜騎神ボルガウルジャック』は天敵中の天敵。高パワーとアタックトリガーでほとんどのドリームメイトをなすすべなく粉砕されてしまう。

パワーカードの詰め合わせ【ゲオルグ天門】:グッドスタッフの頂点

『超鎧亜キングダム・ゲオルグ』

メタルコックのタイマーとホーリー・スパークを内蔵したスーパークリーチャーであった。

登場以来、常にトップメタの一角に居座り環境に睨みを利かせていた【天門】だったが、ヘブンズ・ゲートから繰り出すことが可能である強力な光ブロッカーであるアガピトスが、凶悪なcip・アタックトリガーを持ちマナ基盤としても優秀な『超鎧亜キングダム・ゲオルグ』と相性が良いことに着目し、受けと攻撃性能を飛躍的に高めた【5Cゲオルグ天門】が完成。そのデッキパワーの高さは群を抜いており、8弾環境のトップメタに君臨した。

フィニッシャーをボルメテウス・サファイア・ドラゴンに丸投げしていた従来の【天門】では、アタッカー不足のため息切れするとライブラリアウトしやすいという欠点を抱えていたが、このデッキにおいてはフィニッシャークラスの攻撃的なクリーチャーがふんだんに搭載されており、ウルコスやフルメタル・レモン、アクアンなど優秀な小型を横並べしてからゲオルグで一気に攻め立てることで、従来の天門デッキには無かったアグレッシブなワンショットキルが可能だった。

また、ウルコスやフルメタル・レモンを投入できることで緑を採用する意義が生まれており、エリクシアをフルスペックで運用できるメリットも生まれている。また、竜極神ゲキメツは超パワーとアタックトリガーのマナ焼却がゲオルグの2種のタッパー効果と相性が良いこともあり、フィニッシャーの一角として2~3枚搭載されることになった。

それに付随して、天門においてドローを担っていた『エナジー・ライト』より、アタッカーにもなりゲキで蘇生できるアクアンの採用が優先されるようになった。

ゴッド・カード『竜極神』

説明不要の最強ゴッド。このデッキにおいてはサブフィニッシャーとしての採用だったのだから、全盛期のデッキパワーの高さが窺い知れるというものである。

主に、墓地に落ちたウルコスやアクアンをゲキで蘇生してアドバンテージを大きく稼ぐ。蘇生したウルコスはゲオルグの進化元にもなるのでシナジーが嚙み合っている。メツは相手の進化元をまとめて焼けるのが強烈。

とにかく強烈なパワーカードをこれでもかと詰め込んだ豪華なデッキであり、このデッキは歴代でも1、2を争うほど構築難易度が高い。天門デッキはもともと要求されるカードのレアリティが飛びぬけて高いが、このデッキの必須要求SRカードはアクアン4枚、ゲキメツ2~4枚、ゲオルグ2~4枚、エリクシア2~3枚、ザーディア2~3枚、アガピトス3~4枚と、屈指の要求値の高さである。

ヘブンズ・ゲートによる受けの硬さ、ゲキメツ、エリクシアの超パワー、ゲオルグとアガピトスのタップキルによる盤面制圧能力、ウルコス、アクアン、アガピトス、ゲキメツのcipによるアドバンテージ獲得と、どのデッキに対しても有利に戦うことが出来る、まさにグッドスタッフデッキの集大成である。

7弾の覇者【青単ツヴァイランサー】【グレートメカオー】【アポロヌス・ドラゲオリオン】は苦戦

前環境ででティア1デッキとして君臨していたツヴァイ、メカオーやドラゲリオンらのデザイナーズデッキは、アガピトスとゲオルグのタップキルで進化元を駆逐されてしまうことから苦戦を強いられることになった。環境での使用率の高い『竜極神メツ』で場を薙ぎ払われるのも辛い。

とはいえ最速フェニックスの降臨、最速ツヴァイランサー展開の理不尽展開を押し付けるムーヴが強いのは変わっていないのでデッキパワーそのものは依然として高い。だがツヴァイやドラゲリオンにとっては、敗北回避効果を持ち、遭遇率の高いフルメタル・レモンの存在がかなり辛くなった。

ツヴァイは盾を積極的に割ってくるドリームメイトに対しては有利に戦える。やはり、この環境で存在が特に大きかったのはゲオルグ天門だろう。最強のトリガーであるヘブンズ・ゲートが環境に存在しているという事実は、ビートダウンデッキにいつの時代も盾への攻撃をためらわせる。

また身もふたもない話だが、上記のデッキは飽きられていたので採用率が落ちていたという面もある。

これまで長らく第一線で活躍を続けていた【ダイヤモンド・ブリザード】は、天門やドリームメイトなど、ティア1デッキの多くがカウンター戦術のため圧倒的に不利であり、遂に数を大きく減らすことになった。

『無頼勇騎ガレック』の採用率が急上昇

アガピトスがありとあらゆるデッキに採用されていたので、ガレックの採用率が上がった。赤と黒が入るデッキであれば、必ず2枚は投入されていたイメージである。当然だが、トップメタであるゲオルグ天門への銀の弾丸としても機能する。むしろ天門側もアクアアポインターと共にこのカードを採用していたくらいだった。

【青単テクノロジー】暴力的ハンドアドバンテージで圧殺

青単デッキであれば7コストで手打ちできるインビンシブル・テクノロジーを採用した【青単テクノロジー】が環境で確立。

チャージャーで繋がなければテクノロジーを撃つ前に負けてしまうことも多いが、一度撃てればその暴力的アドバンテージで圧殺できる。2体をcipでバウンスし、時間稼ぎやテクノロジーから出しても有能な『電脳海王ネオングライド』が強い。また、エクストラパックで『キング・レムリア』を獲得。

ほぼテクノロジーから踏み倒すことが前提のデザインのこのクリーチャーであるが、コスト相応に効果も非常に強力。召喚に成功すればどんな盤面もひっくり返すことが出来るため、2~3枚投入された。

総合して、コントロール対面に対しては絶大な有利を取れるデッキである。いくらハンデスされようが、いくら盤面を取られようが、テクノロジーさえ撃てればすべてひっくり返すことが出来る。

だが、明確な弱点としてテクノロジーに完全に依存しているということが挙げられる。ジェニーでハンデスされたり、手札事故で引き込めないと敗北は必至である。序盤から積極的に盾を割られると、7マナ到達前に敗北することもしばしばある。

2枚のクリーチャーにナーフ措措置が加えられ、強力ドローソースがDP殿堂に

2021年3月25日付に公式発表。

下記2種のカードがナーフされたが、ヘイトを集めていたアガピトスにはナーフがかからなかった。

剛王勇機フルメタル・レモン

TCG版と同じパワー、効果にナーフされた。特に敗北回避条件のデッキ破壊が8枚から10枚になったのは大きく、前のように脳死で投入できるカードではなくなった。

とはいえマナ基盤として依然として優秀である。

ジェネラル・クワガタン

マナブースト効果が削除された。これにより継戦能力が大きく低下することになった。

ドリームメイトは弱体化し、クワガタンを抜いてボルパンサーを投入する構築が一般的になっていく。

ストリーミング・ビジョン

DP殿堂入り。

青単ツヴァイで相性が非常によく、純然たるパワーカードとして機能していたため。

依然猛威を奮う【ゲオルグ天門】、そして「アガピトス・マスターズ」

クワガタンナーフによりドリームメイトはかなりの痛手を受けたが、トップメタの【ゲオルグ天門】はまさかのノータッチ。むしろエクストラパックで登場した『居合のアラゴナイト』を、ナーフされたフルメタル・レモンと差し替えることで強化された節さえあった。

いよいよ一強と化したゲオルグ天門だが、その中でもアガピトスはいよいよ手が付けられない汎用性を持つクリーチャーとして、プレイヤーからヘイトを集めていた。

前述のアラゴナイトとのシナジーは強く、ついにヘブンズ・ゲートから脱却したビートダウンデッキ【4Cアガピトス】が開発された。『フェアリー・ギフト』からの早出しでアガピトスやゲキメツを繰り出し、盤面をコントロールしていく。手札消費が激しいが、『G・A・E』などの優秀なゴッドや、空いたスロットを汎用カードで穴埋めできる。

アガピトスを最大効率で運用できるうえ、メツを最速召喚し、相手の小型を壊滅させる動きが非常に強力だった。

遂にはこの環境が「アガピトス・マスターズ」と揶揄されるようにすらなり、ありとあらゆる場面でアガピトスが活躍し、ヘイトを溜めている。

驚天の超人がアメージングな強化を受けて登場 【驚天ビート】成立

エクストラパックで登場した『驚天の超人』は3|ストで13000のTブレイカーというイカれたコストパフォーマンス。デメリット効果も強烈に見えるが、実際のところcipを無視して召喚されるのでさしたる問題ではない。

また、『運命の選択』からスピードアタッカー化して召喚されるのも脅威である。

これらに着目し、【驚天ビート】が成立した。3~4ターン目にTブレイカーが飛んでくるのは非常に強力で、明確な対抗策がないと太刀打ちできない。防御に20枚以上のトリガーを採用し、トリガービートとも呼ばれる。

強力極まりないビートダウンデッキであり、エリクシアなど殴り返しに期待が出来る超パワークリーチャーを手札に抱えておくくらいしか、明確な対抗手段がない。それだけパワー13000クリーチャーが早期に着地するのは対抗手段が限られるのである。デッキ構築を歪めてでも『ボルメテウス・サファイア・ドラゴン』を4枚投入するプレイヤーすら存在し、このカードの影響度の高さを物語っていた。

8弾環境総括:カードパワーがインフレしすぎてカオス

前環境で大暴れしたデッキを抑えつけるように、8弾ではパワーが非常に高い強力なカードが多くリリースされた。

インフレしすぎて環境は混沌とした様相を呈し、小型を並べてビートするようなティア2以下のデッキタイプは、アガピトスとゲオルグによりチャンスすらなく一掃されてしまった。

超高性能ゴッドであるゲキメツが陰に隠れるほど、他の高汎用クリーチャーが大暴れしていたと考えると恐ろしい。ゲオルグで敵を殲滅しつつリーサルをかけたほうが安心かつ強力なため、2ターンに分けてG・リンクしている手間が惜しいとすら考えられていた。ありとあらゆるデッキがウルコスを採用していたため、マナが過剰に伸びやすくランデスが威力を発揮する場面が少なかったからかもしれない。

ALLdivisionでは過去の弾で登場した低パワー速攻カードを多く採用した【黒緑速攻】が成立し、8弾EXあたりからようやくNEWとALLのデッキ構築に差が生まれてきたといえる。

8弾環境Tierデッキ表

Tier1

【ゲオルグ天門】

【ドリームメイト】※ジェネラル・クワガタンのナーフ後はデッキ出力が低下

【4Cアガピトス】

【青単テクノロジー】

【驚天トリガービート】

Tier2

【グレートメカオー】

【アポロヌス・ドラゲリオン】

【青単ツヴァイランサー】

【白緑ブリザード】

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